3月17日に公表された厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、最新の平均月給は31万1800円。
過去20年間で最高水準となりました。
物価高で苦しい景況感である一方、多くの給与を稼いでいる方もいるようです。
年収の目標とされやすいのが「1000万円」ですが、同じ年収1000万円でも、独身世帯と共働き世帯では手取り額に差が生じる事実をご存知でしょうか。
結論からお伝えすると、独身世帯のほうが共働き世帯よりも手取り額が少なくなります。
世帯をもっている方が、控除が多いため納税額が少なくなる、もしくは課税率を分散できるためです。
本記事にて詳細を紹介していますので、ご興味ある方はぜひ内容をご確認ください。
独身の「年収1000万円」の手取り額
独身の年収1000万円世帯の実際の手取り額は、どの程度なのでしょうか。
手取り額を算出するために、まず所得税の金額を算出してみましょう。
所得税を計算
課税対象金額を算出するための計算式は以下のとおりです。
モデルは40歳以上、東京都在住(住宅ローン控除や生命保険料控除などのその他の控除がないケース)としています。
給与ー給与所得控除ー所得金額調整控除=給与所得金額
給与所得金額ー所得控除(扶養、基礎、医療費控除など)=課税対象金額
年収1000万円の給与所得基礎控除は195万円、社会保険控除は130万円です。
したがって、以下の計算式となります。
1000万円-195万円-(130万円+48万円)=627万円
所得税算出の計算式、課税対象金額×20%-税額控除金額=所得税を用いて計算すると、年収1000万円の基本的な所得税は以下のとおりになります。
627万円×20%-42万7500円=82万6500円
住民税を計算
続いて住民税を見ていきましょう。
東京都の住民税均等割は5000円、住民税所得割の計算式は以下のとおりです。
(805万円-173万円)×10%=63万2000円
年収1000万円(独身)の手取り
最終的な手取り金額は
1000万円-130万円(社会保険控除)-82万6500円(所得税)-5000円(住民税均等割)-63万2000円(住民税所得割)=723万6500円
の計算により、一般的な手取り金額は約723万6500円です。
額面1000万円に対して約72.4%の手取りとなりました。