夏休みにFXの勉強と実践ができる!と思う前に知っておきたいこと
FXに興味があっても、日頃はなかなか忙しくて手が出ない・・・。そんな方が時間の取れる夏休みにFXに取り組もうとするケースがあるようです。
中途半端に手を出すと大怪我しかねないFXですから、その姿勢は大変素晴らしいと思います。ただ、その前に知っておくべきことがあります。
それは、8月の為替市場は値動きが鈍くなる場合が多いということです。いざ実践!と思っても、為替市場が動かずジリジリと焦るばかり。
8月の特に上旬から中旬は、レンジ相場が続いてエントリーしては損切、逆に入れば往復ビンタという事態が発生する可能性が高くなります。この時期のFXトレードは、経験者から見るとあまりお勧めできないのです。
為替市場に大きな影響力を持つのは外国人機関投資家ですが、彼らも7月末から8月にかけて夏休み=サマーバケーションを取ります。そのため、この間は市場参加者が減り、値動きが少なくなったり普段とは異なる値動きが発生する傾向があります。
よって、8月はトレードを休むというベテランFXトレーダーもいます。夏休み時期のFXトレードは、実は初心者にはハードルが高いという点は知っておいて損はありません。
検証の“勝ち”なくして実トレードの“勝ち”はない
夏休みに本気でFXに取り組もうとするのなら、お勧めするのは検証作業。スイングトレードやデイトレード、スキャルピングなど、どんな手法でFXトレードを行うかは人それぞれですが、利用する手法の過去実績について夏休みに徹底的に検証してみてはいかがでしょうか?
MT4や多くのFX会社のチャートソフトは、過去のチャートを表示できる機能が付いています。それらをプリントアウトして検証するのです。利用する手法がどの時間足、どの通貨ペア、どの時間帯に通用するのか。また、期間を長くしても通用するのかなど、検証の範囲は非常に広いものがあります。
FXでは実践も大切ですが、検証作業で“勝てる”という感触なしにトレードで勝つのは難しいと言わざるを得ません。
検証の結果、“勝てる”との感触を得ても、実際にトレードをしてみると次から次に穴が見つかるものです。ただし、やみくもに実践に入るよりも、検証作業から得た“勝てる”感触を土台に修正をしていくことが、トレード上達の最初の第一歩となります。
時間が取れても実際のトレードでは勝つのが難しい夏休みこそ、検証にじっくり取り組むべきと考えます。
勝ち組トレーダーの仲間入りをするには?
相場は常に変化しており、同じような相場状況は存在しません。ファンダメンタル重視で期間の長いトレードを行うのでなければ、目の前のチャートを見た時にエントリーするか、エントリーしないか、常に判断を迫られることとなります。
そんな時にものを言うのがトレードの場数と検証の数です。トレードの場数は勉強代を支払いながら積み重ねるしかありませんが、検証は時間さえあれば誰でも数を重ねることができます。
極論すると、トレードは「検証して勝てる場所を見つける→実践で修正を行う」というサイクルの繰り返しとなります。企業の業務改善でよく言われるPDCA※サイクルに似ていますね。
※Plan・計画→Do・実行→Check・評価→Action・改善
相場なのでその時その時の判断は常に求められますが、自らのトレードの形をある程度パターン化できなければ、安定的に勝てるトレーダーになるのは難しいでしょう。検証作業は、勝ち組トレーダーの仲間入りをするためには必要不可欠な作業なのです。
まとめ
FXの上達には実トレードの積み上げが大切ですが、それと同じくらい過去の検証作業も大事です。
検証作業は、プリントアウトしたチャートさえあれば思い立ったときに行うことができます。じっくり取り組める夏休みこそ、時間がなくてできなかった過去の検証作業に取り組んでみてはいかがでしょうか。
遠回りのように見えますが、8月の値動きのない相場に翻弄されるより、遥かに得るものが多いですよ。ぜひお試しください。
石井 僚一