4.年金引き上げと「物価高の壁」
冒頭でも述べたとおり、公的年金の引き上げは実に3年ぶりですが、昨今の物価上昇に追いついているのかも気になりますね。
4.1 「2020年基準消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)1月分」
(1)総合指数は2020年を100として104.7
- 前年同月比:4.3%の上昇
(2)生鮮食品を除く総合指数は104.3
- 前年同月比:4.2%の上昇
(3) 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は102.2
- 前年比同月:3.2%の上昇
冒頭でも触れたように、2023年度の公的年金額の引き上げ率は、新規裁定者(67歳以下の方)で2.2%。物価の上昇には追いついておらず、実質目減りしているとも捉えられます。
5. まとめにかえて
今回は、2023年度の公的年金額の引き上げについて触れながら、いまのシニア世代が実際に受け取る年金月額に関するデータも見てきました。
実際に老後に受けとる年金額は、現役時代の働き方や収入によって個人差があります。また、理想の老後の過ごし方も人それぞれです。
まずは「いまの資産状況」と「老後の年金見込額」を把握してみましょう。理想の老後に向けたマネープランを立てる第一歩となります。
ときに数千万円が必要ともいわれる老後資金は、一朝一夕で準備できるものではないでしょう。遠い将来に向けた資産形成を、先手先手で進めていけたらよいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(2022年12月)
- 総務省統計局 2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)1月分(2023年2月24日公表)
山本 大樹