3. 豊かな老後には「資産の寿命」を延ばす工夫を

いまどきの70歳代世帯の貯蓄事情、そして平均的な年金額について眺めてきました。

本格的なリタイア生活が始まる70歳台時点での貯蓄額は、老齢年金のみを収入源とするシニア世帯の「暮らしの安心」に直結するものとなるでしょう。

歳を重ねることで、病気や怪我のリスク、そして要介護状態となる可能性も高まります。長寿時代に老後を生きる現役世代にとっては、こうした「長生きリスク」に備えた丁寧なお金の準備が必要となってくるでしょう。

低金利が続くいま、預貯金だけで十分な老後資金を準備することは、決してたやすいことではありません。昨今の物価上昇のようなインフレリスクに対応できる資産を持つこと、すなわち「資産運用」を行うことは、有効な老後対策の一つとなり得るでしょう。

投資は元本保証がないためリスクがともないますが、複利の効果を生かしてお金を育てていくことも可能です。運用期間を長くとることで、リスクの軽減とリターンの安定に繋げていけるとよいですね。

少子高齢化が進むいま、年金制度の支え手も減っていきます。いまの年金水準がこの先もずっと続くとは限りません。長寿時代を見据え、健康寿命とともに「資産の寿命」をのばしていく工夫ができるとよいですね。

参考資料

田中 友梨