まさに夏真っ盛り。8月に入れば夏休みでまとまったお休みが取れるという方も多いでしょう。帰省や旅行を楽しむ方、家でゆっくり過ごす方など様々かと思いますが、この機会に「投資を始めてみるかどうか」を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
投資と一口に言っても株や投資信託、FX、金など様々な種類がありますが、投資初心者ならiDeCoから検討してみるのもよいと思います。
個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)とは
個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)とは、老後の資産形成のための制度です。2017年1月から対象者が大幅に拡大し、公務員や専業主婦、すでに企業年金に加入している会社員など、従来は対象外だった人も含め、原則20歳以上60歳未満であればほぼすべての人が加入できるようになりました。ざっくりした仕組みは次のようなものです。
- 拠出する:加入者がiDeCo口座を開設し、自分で決めた掛け金を毎月拠出する(掛け金は毎月5,000円から1,000円単位で決定。上限は自営業者、会社員、公務員など職業によって異なる)
- 運用する:拠出したお金は、金融機関が提供する商品ラインナップの中から投資信託や定期預金などを加入者自らが選んで運用する(個別株は購入できない)
- 給付を受ける: 60歳以降に年金または一時金で受け取る(受け取れる金額は拠出金額や運用成果によって異なる)
投資初心者にもiDeCoがおすすめできる理由
では、iDeCoを投資初心者にもおすすめできるポイントとしてはどのようなものがあるでしょうか。
節税メリットが大きい
なんといってもiDeCo最大のメリットは、節税効果が高い点です。
iDeCoでは、掛け金は全額所得控除の対象となります。所得税・住民税は、所得から基礎控除や配偶者控除などの各種所得控除の額を差し引いた課税所得から計算されますから、所得控除によって課税所得が少なくなれば、納める税金は少なくなります。つまり、掛け金が全額所得控除の対象であるiDeCoは節税につながり、お得になるのです。
また、通常であれば投資や運用で得た利益(運用益)には20.315%の税金がかかります。銀行に預けていても利息には同じように課税されます。しかし、iDeCoではこの運用益に対しても税金がかかりません。
さらに、60歳以降に受け取るときにも、一時金として受け取る場合には退職所得控除が適用されますし、年金として分割で受け取る場合にも公的年金控除を受けられるという税メリットがあります。
厳選されたラインナップから運用商品を選ぶことができる
投資すると一口に言ってもたとえば日本株であれば上場している企業は約3,500社ありますし、投資信託なら数千本が存在します。この中から初心者が投資する対象を選ぶのはそう簡単ではありません。ですが、それで悩んでいる方にもiDeCoは心強い味方になるのではないでしょうか。
iDeCoにおいて個別株は購入できませんので、運用商品のメインは元本確保型なら定期預金や保険、元本変動型なら投資信託になります。この商品ラインナップは、各金融機関において投資のプロがiDeCo向きに厳選したものといえます。たとえば楽天証券は投資信託にスコアシステムを導入して定量評価を行っており、同社がiDeCoで提供する投資信託27本はいずれもこのスコアが平均以上のものだといいます。プロが選んだファンドで資産運用を始めることができるのは、初心者の方にはメリットになりそうです。
一方、投資デビューを検討している人なら投資信託には元本割れのリスクがあることはご承知かもしれませんが、もし元本を減らしたくないけれど節税メリットは享受したいということであれば、元本確保型の定期預金を選ぶという方法もあります。
iDeCoを始めるときにチェックしたいポイント
iDeCoを始める場合、チェックしたいポイントとしては、商品ラインナップのほかに手数料があげられます。iDeCoでは、金融機関にiDeCo用の口座を開設することが必要で、手数料が発生します。具体的には①国民年金基金連合会に支払う手数料(年間1,236円)、②事務委託先金融機関手数料(年間768円)③iDeCo口座を開設する金融機関に払う運営管理手数料、この3つです。
このうち、①と②はどの金融機関で口座を開設しても一定ですが、③の運営管理手数料は金融機関によって異なります。
最近ではネット証券大手のSBI証券と楽天証券のように残高などの条件に関わらず、運営管理手数料を無料としている金融機関も出てきています。商品ラインナップもこの両社ではそれぞれ独自の選定がなされていますので、始めるときには調べてみたいところです。
まとめ
いかがでしたか? 投資初心者の方はもちろんのこと、これから老後の資産形成をしていきたいと考える方にもiDeCoは非常にお得でメリットの多い制度です。まとまった時間がとりやすい機会に一度検討してみてはいかがでしょうか。
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LIMO編集部