3. 厚生年金を月20万円もらう人の現役時代の年収を試算

厚生年金を月20万円受給している男性は約22.5%ですが、現役時代にどれくらいの年収があれば月20万円をもらうことができるのでしょうか。

厚生年金受給者は、国民年金に上乗せして厚生年金も受給しているため、ふたつに分けて考える必要があります。

まず、国民年金を満額受給できる場合、月に6万4816円を受け取れます(令和4年度)。月20万円の年金を受給したい場合、残りの13万5184円を厚生年金から受給しなければなりません。

厚生年金受給額の計算は「報酬比例部分+経過的加算+加給年金額」で計算します。

しかし、複雑な計算式となるため、ここでは厚生年金のおおよその金額を決める「報酬比例部分」がいくらになれば月13万5184円を受給できるのかで試算してみましょう。

報酬比例部分は、以下の計算式で求めることができます。なお、ここでは「従前額保障」の給付乗率で計算しています。

「平均標準報酬月額×5.769/1000×平成15年4月以降の加入月数」

  • 加入月数は480月
  • 年間の厚生年金受給額は13万5184円×12ヵ月=162万2208円

これを計算式に当てはめます。

平均標準報酬月額×5.769/1000×480月=162万2208円
平均標準報酬月額=162万2208円÷(5.769/1000×480月)=58万5820円

上記のように、仮に加入月数を40年(480月)として試算すると、報酬月額は58万5820円となり、これを年収に換算すると約703万円と計算できます。

つまり、男性が年金を月20万円受給するには、現役時代に月収約59万、年収で約703万円が必要ということです。

なお、厚生年金の加入期間が20年以上ある方で、65歳到達時点で生計を維持している一定の条件を満たす配偶者または子がいるときは、「加給年金」として以下の金額がプラスされます。

出所:日本年金機構「老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額」をもとに筆者作成

条件に該当する配偶者や子どもがいる方は、試算する際に加算してみましょう。