2. 世帯年収1000万円「貯蓄の平均と中央値」は?
ここからは金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」をもとに、「年収1000万円~1200万円世帯」の貯蓄事情を見てみましょう。
2.1 「二人以上・年収1000~1200万円未満世帯」の金融資産保有額
金融資産を保有していない世帯を含む
- 平均:2556万円
- 中央値:1000万円
2.2 「二人以上・年収1000~1200万円未満世帯」の金融資産保有額分布
- 金融資産非保有:12.2%
- 100万円未満:5.3%
- 100~200万円未満:6.1%
- 200~300万円未満:1.6%
- 300~400万円未満:3.3%
- 400~500万円未満:3.3%
- 500~700万円未満:4.1%
- 700~1000万円未満:9.8%
- 1000~1500万円未満:13.1%
- 1500~2000万円未満:5.7%
- 2000~3000万円未満:9.8%
- 3000万円以上:23.7%
- 無回答:2.0%
平均は一部の極端に大きな数値に引っ張られ実態よりも数値が大きくなりがちです。一方、中央値は数値を小さい順に並べてちょうど真ん中にくる数値を指すので、より実態に近いと言えます。
中央値で見ると年収1000万円世帯の貯蓄平均は1000万円です。3000万円以上を保有する世帯も23.7%、全体の4分の1を占めます。とはいえ、1000万円に満たない世帯の割合が45.7%と、ほぼ半数を占めます。
家族構成などにもよりますが、年収1000万円超の世帯の場合、児童手当、高校授業料無償化制度などの公的支援の対象外となるケースもあり、教育費の負担が思いのほかに重くなる、といった盲点も。
また、所得が高ければ税や社会保険料の負担も増えます。単純に「高収入であれば貯蓄もしやすい」とは言い難いようですね。