4. 年金だけで暮らす高齢者は少数に
現在、厚生年金や国民年金だけで暮らしている高齢者は少数派となっています。
厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によると、「公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%」の世帯はたった24.9%でした。
年齢が若いほど年金額が低くなっている現状、さらに昨今の物価上昇を見ると、今後も年金だけで暮らせる高齢者は少数派となるかもしれません。
老後に向けて、年金以外の資産を自分で作る必要があるでしょう。
5. 老後資金の形成が重要に
60歳~90歳以上が受給する公的年金の平均月額を見ていきました。
全体の平均月額は国民年金が5万6368円、厚生年金が14万3965円ですが、年代が若いほど少ない傾向にあります。
年金の水準は毎年改定されるので、自分自身の見込み受給額について「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認しておきましょう。
年金だけで暮らすことが難しい昨今、不足額をシミュレーションし、過不足備えることが重要になります。
老後資金の形成方法は決して一つではありません。自分に合う方法、リスク許容度と照らし合わせ、バランスよく備えていきたいですね。
参考資料
太田 彩子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)