4. 「稼いだお金に、稼いでもらう」資産運用のススメ

「自分が働き続ける」次に視野に入れておきたいのが、「お金にも働いてもらう」発想。資産運用でお金を殖やしていく心構えです。

昔の日本であれば収入といえば、汗水垂らして稼いでくるもの。労働の対価というイメージだったかもしれません。

しかしそれは、「銀行に預けていれば資産が10年で倍になる」といった時代だから成立した話です。

超低金利のいま、銀行などの預貯金だけにに代に同じようにしていては、お金は増えません。これからの時代は「稼いだお金にも、働いてもらう時代」です。

老後資金の準備といえば、今までは「預貯金一択」だった方も少なくないでしょう。でもこれからは、「預貯金+資産運用」を組み合わせながら、上手に資産形成をしていく視点も必要となるかもしれません。

元本が保障されていない点で、資産運用に対してハードルが高いと感じる人も多いでしょう。

初心者でも比較的始めやすい「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)などの税制優遇制度を活用してみるのも一案です。

5.  50歳代の貯蓄は「より計画的に」

50歳代は多くの世帯にとって、老後資金を準備する上でのラストスパート期間。より計画的に貯蓄を行う必要があるでしょう。

子育て費用や住宅ローンの支払が落ち着き、時間的にも経済的にも余裕を実感し始める世帯が増える時期でもあります。

つい後回しにしていた固定費(光熱費やスマホの通信量など)のスリム化に取り組んだり、外食の頻度を減らして自炊を増やすなど、日頃の暮らしを見直す機会を作ってみるとよいかもしれません。

6. おわりにかえて

今回は、現役世代のラストスパート期ともいえる50歳代世帯の貯蓄事情について眺めてきました。

かつて「老後2000万円問題」を発端に老後資金の目安となった「2000万円」。50歳代・二人以上世帯の貯蓄額は、平均も中央値もこのラインには届いていません。

稼ぎどき・貯めときは世帯によっても差があります。セカンドライフの足音が聞こえる50歳代は、資産づくりについての「総仕上げの時期」。

リタイヤまでの残された期間で、いかに効率よく、計画に貯蓄のラストスパート期を乗り切れるかがカギを握るといえそうです。

参考資料

岡崎 泰輔