2023年2月16日に発表された、ダイトロン株式会社2022年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:ダイトロン株式会社 代表取締役社長 土屋伸介 氏
通期業績推移
土屋伸介氏(以下、土屋):ダイトロンの土屋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。2022年12月期の決算説明と、現在進行中の第10次中期経営計画のポイントについてご説明します。
まずは、当社の2022年12月期の決算説明です。連結決算概要ということで、業績結果と業績予想についてお話ししたいと思います。
通期の業績推移についてです。2022年の売上高は前年同期比121.1パーセントの876億3,900万円、営業利益は前年同期比144.2パーセントの60億5,100万円、経常利益は前年同期比143.6パーセントの62億1,000万円となっています。
当期純利益は前年同期比143.5パーセントの42億3,700万円と、よい結果で終えることができました。また、売上高・利益も過去最高となり、これもみなさまからいろいろなご協力をいただいた結果だと思っています。
商品セグメント 四半期別業績推移
商品セグメントの四半期別の業績推移についてですが、この第4四半期も非常によい結果を出せました。
当社の2つの大きなユニットである電子機器及び部品と製造装置関係はともに、この第4四半期も好結果で、2022年は第1四半期から好調を維持できました。
通期財政状態、キャッシュ・フローの状況
通期の財政状態及びキャッシュ・フローの状況についてです。連結財政状態はスライドのとおりですが、連結キャッシュ・フローの状況として、2022年は営業キャッシュ・フローもマイナスとなりました。
その要因の1つは、多めに手配した在庫が積み重なってきたことです。また、好業績による法人税の支払いも大きく関係しており、キャッシュ・フローはマイナスとなりました。しかし在庫については、今後売上が随時積み重なることで適正な数値になるため、大きな懸念事項とは考えていません。
報告セグメント別概況推移
報告セグメント別の概況推移です。当社は国内の販売事業、国内の製造事業、海外事業の3つを報告セグメントとしていますが、いずれも好結果で、前年比でも伸びています。特に、海外事業の伸び率が大きく、営業利益もよい結果となっています。
商品セグメント別 通期業績推移
商品セグメント別の通期の業績推移です。この商品セグメントには、大きなユニットとして電子機器及び部品と、製造装置の2つがあります。先ほどもお伝えしたように、非常に好業績であったことから、各セグメントでよい結果を出すことができています。
このセグメントの中では、電子部品&アセンブリ商品や画像関連機器・部品などの数字が大きくなっています。これは半導体製造装置メーカーや産業機械メーカー向けの商材の販売が好調に推移したことが大きな要因だと思います。
また、製造装置関係でも、半導体の基板に使われるシリコンウェーハという材料の製造に関する販売量が非常に伸びたことが大きく寄与しています。特に海外でその数字が伸びました。
当社の事業構造 2022年通期実績
当社の事業構造です。注目していただきたいのは緑色のハイライトの部分です。こちらは当社のオリジナル製品を含んだセグメントで、総利益率を見ると、こちらで高めの利益率を稼げているとご理解いただけると思います。
また、オリジナル製品の比率は16パーセントとなりました。全体的な伸びを踏まえると少ない数字ですが、2022年は一般商材の販売の伸び率が非常に高かったこともあり、オリジナル製品比率は16パーセントにとどまっています。売上高・利益ともに成長しているため、この比率を上げられるように施策を進めていきます。
地域別 前年同期比較 売上高
海外売上比率は25.5パーセントで、昨年よりも2.2ポイント伸ばすことができ、特にアジアでの伸びが大きくなっています。コロナ禍の影響もありましたが、アジアは特に中国で商材の強みを発揮することができ、よい結果を出せています。北米及び欧州については、まだまだ伸ばせる余地があると考えています。
地域別 売上高推移
数年間の地域別売上高の推移です。国内とアジアは順調に伸びています。以前は北米や欧州でも一定の売上があり、その後少し低迷する状況が続きましたが、今はすでに回復期に入っており、さらなる底上げを行いたいと考えています。
四半期別 受注高推移 (商品セグメント別)
四半期別の受注高推移です。昨年は受注が非常に好調で、今もまだ一部でその好調を維持しています。全体的なセグメントとしては、それぞれの受注が伸びてきているといったかたちです。特にグリーン・ファシリティー関係は、大きなデータセンター向けプロジェクトのUPSの受注もあり、受注高に大きく貢献しています。
製造装置についても同様で、海外ではシリコンウェーハ向けの設備の需要が旺盛で、そちら向けの設備受注が積み上がってきている状況です。納期についても非常に長くなっていることもあり、お客さまが早めに手配や注文をすることも多少は関係していると思います。
四半期別 受注残高推移 (商品セグメント別)
四半期別の受注残高推移です。電子機器及び部品、製造装置ともに受注は順調に積み上がってきています。受注残の中には、2023年だけでなく2024年以降の売上に寄与するものも含まれています。
通期連結業績予想
そのような受注残を背景とした、2023年通期の連結業績予想についてです。売上高は880億円で、前年同期より少し上回ると予想しています。営業利益、経常利益は57億3,000万円で、前年同期比で少し下回ります。当期純利益も同じような予想となっています。
利益が前年を下回ると予想した理由は、人件費と販管費が増加すると見込んでいるためです。やはりエンジニアの確保が重要だと考えているため、必然的に人件費も少し増加します。また、海外事業を強化するにあたって海外出張も増えますし、展示会等におけるプロモーション関連の費用もあるため活動費などの販管費が増加すると見ています。そのような背景から、結果として前年より利益は減少すると考えています。
商品セグメント別業績推移・予想
商品セグメント別の業績予想です。売上高の予想として、電子機器及び部品についてはグリーン・ファシリティー関連の伸びもあり、昨年よりも伸びると予想しています。その中でも、画像関係と半導体に関連するところのエンベデッド関係も伸ばせるのではないかと見ています。
製造装置関係が昨年比で減っているのは、谷間のようなところが出てくると考えているためです。しかし、受注残は非常に大きくなっているため、2024年以降にはまた大きく伸びてくると予想しています。
また、設備関係の納期が非常に長く、大半が1年以上になっていることから、今年の受注でも売上に反映されるのは2024年以降になるといった背景もあります。
配当
配当についてです。2022年12月期末の配当は70円としました。第3四半期時点での予想期末配当は55円でしたが、現在の好業績を踏まえて増配し70円としています。
2023年についても同様で、利益は少し減少する予想ですが配当はキープしたいと考え、現時点では年間115円の配当を考えています。以上が、決算関係のご説明となります。
10M基礎の再確認 1) グループステートメント
次に、現在進めている第10次中期経営計画について重要なポイントだけご説明します。この計画は2021年にスタートし、今年2023年が最終年度になります。
この中期経営計画では、グループステートメントとして「Creator for the NEXT」という文言を掲げています。こちらは「グループのネットワークを活かし、新しい価値をクリエイトする」という考えのもと、考案したものです。
10M基礎の再確認 2) 長期経営構想
「技術立社として、グローバル市場で躍進する」というスローガンを掲げています。中期経営計画では、海外ビジネスを伸ばし、収益力に関係するオリジナル製品を生産・販売することも考えています。
その先に「連結売上高1,000億円企業を目指す」という長期目標があり、第10次中期経営計画では、その基礎をしっかり作っていこうと思っています。
10Mの再確認 1) 業績目標
我々は、第10次中期経営計画を略称「10M」と呼んでいます。「10M」の考え方として、成長性を重視した経営により、売上高・営業利益の持続的な拡大を目指すことを基本としています。当然、多少の山谷はあると思っていますが、トレンドとして持続的に拡大・成長させようという考えです。
2023年(10M最終年度) 2) 目標とする経営指標
目標とする経営指標として、自己資本比率、ROA、ROEの3つを考えています。スライド上に記載している数字が、それぞれの目標数値となっています。
2022年の実績値で見ると、自己資本比率は50パーセントに届かない状況ですが、ROAとROEはすでに達成できています。ROAとROEの数字を維持しながら、自己資本比率を上げられるように、最終年度の施策をしっかりと遂行していきたいと考えています。
2023年(10M最終年度) 3) 4つの戦略基本方針
「10M」では、大きく4つの基本戦略を掲げています。1つ目は「事業構造の変革を推進する」です。
2023年(10M最終年度) 4) 戦略基本方針 ①
3つの軸には、事業別構成比を考えた「安定+挑戦」軸があります。従来どおりの電子機器・部品、製造・検査装置関係事業、新規事業を設け、構成比をしっかりと考えた上で、この3つの事業をバランスよく運営していきます。
また、オリジナル製品比率の「利益」軸では、25パーセントという数値目標を掲げています。先ほどお伝えしたように、2022年末の段階で16パーセントと少し乖離はありますが、確実に伸びています。それ以外の一般商品の販売がかなり伸びたこともあり、16パーセントという数字になっていますが、25パーセントに近づけるよう今後施策を打っていきます。
海外事業比率の「成長」軸は、伸びしろが大きい部分と考えており、しっかりと伸ばそうと強化しています。目標30パーセントに対して、実績は25.5パーセントまで来ており、比較的順調に推移しています。
2023年(10M最終年度) 4) 戦略基本方針 ②
2つ目の基本戦略は「統合効果の最大化を推進する」です。2017年に製造子会社と、我々の母体となっていたダイトエレクトロンという商社が統合し、ダイトロンになったため、その統合効果をしっかり出そうという考えです。
前中期経営計画の「9M」の段階では統合準備と統合を進めていましたが、「10M」では統合効果を出していこうと、いろいろな投資を行いました。特に、人材投資や製品開発などに力を入れ、統合効果を出すべく施策を進めています。
2023年(10M最終年度) 4) 戦略基本方針 ③
スライドには、注力する事業領域・市場を記載しています。今後も右肩上がりに成長が期待できる市場だと思いますので、しっかりと施策を行うことで、確実に数字が作れると考えています。
2023年(10M最終年度) 4) 戦略基本方針 ④
4つ目の基本戦略「持続的成長に向け、チカラを高める」は、非常に重要な項目です。やはり、国内ビジネスの補強と安定成長、海外ビジネスの成長、生産体制の強化、オリジナル製品ビジネスの強化、新規ビジネスの育成を考えるという戦略です。
そして、これらをサポートする機能として管理本部関係の事業サポート機能の改革を並行して進め、成長を遂げていきたいと考えています。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ①
国内ビジネスの補強と安定成長として、地域密着営業をより一層強化することが非常に重要だと考えています。また、今は検討段階ではありますが、有望地域への新規展開のために北海道や四国地域の新たな拠点作りも検討していきます。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ②
海外ビジネスの成長は、非常に重要な伸びしろですので、海外ネットワークの拡充を考えています。EU拠点の検討はすでに準備段階に入り、EU全土を管理する現地法人をオランダに設立する準備を進めています。
東南アジアにおいても、現地法人をシンガポールに設立しました。2023年4月あたりから本格的な事業スタートを進めようと考えています。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ③
生産体制関係については、コストの低減が重要になると思います。工場別にコスト低減策を進めており、部材の調達関係におけるコストダウンも検討している状況です。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ④
オリジナル製品を強化していくためには開発が非常に大事だと考えており、特に数多く生産できる製品の開発が重要だと位置付けています。量産及び計画生産に適した「標準製品」の開発を強化するため、いろいろなことに取り組んでいる段階です。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ⑤
新規ビジネスの育成として、「9M」では「グリーン・ファシリティー部」のデータセンター向けビジネスであるUPSビジネスを育成していました。「10M」に入ってからは、数字的にもかなり寄与できる規模になってきており、軌道に乗せることができました。
新たな新規ビジネスの展開として、ソフトウェアビジネスの展開を検討しており、すでにプロジェクトチームを作り、マーケティング調査を進めている段階です。新たにグループ事業推進部を発足させ、こちらを中心とした新規ビジネスを進めようと考えています。
2023年(10M最終年度) 5) 具体的戦略 ⑥
事業サポート機能の改革として、管理本部関係の機能の改革によって効果を出そうと考えています。具体的には、多様性による組織の活性化を図り「人財力」の強化を進めています。
また、次の時代を見据えた基盤作りを推進するため「コーポレート部門」を強化し、委員会やプロジェクトを作りながら、スライドに記載したさまざまな項目に関する施策を進めています。
ダイトロングループのサステナビリティ 1/5
現在、ダイトロングループとしてのサステナビリティ体系を検討しています。「創業の精神・行動規範」を頂点としたサステナビリティ体系図を作成し、サステナビリティの推進を考えています。
その中で、重要課題である「マテリアリティ」について各部門と協議を進め、新たにマテリアリティを設定しました。そこから、いろいろな活動やSDGsへの紐付けなどを行い、分科会も設立し、活動におけるKPI等も設定しました。
そして、サステナビリティ委員会を設立し、その中身をしっかり審査して、進捗管理をしていくよう進めています。その中には、「CSRの基本方針」「コーポレートガバナンス基本方針」などすでに設定していたものもありましたので、それらも組み入れるかたちでサステナビリティを推進している状況です。
ダイトロングループのサステナビリティ 2/5
各マテリアリティとSDGsについて記載しています。
ダイトロングループのサステナビリティ 3/5
マテリアリティにおける主な取り組み・重点テーマです。
ダイトロングループのサステナビリティ 4/5
CSR基本方針です。
ダイトロングループのサステナビリティ 5/5
コーポレートガバナンス基本方針です。
おわりに・・・
最後に「技術で立つ会社へ」ということで、ダイトロングループはエレクトロニクス業界の技術立社として、社員とともに進化を果たし、グローバル市場に新たな価値を創造していきたいと思っています。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
質疑応答:海外拠点にオランダとシンガポールを選んだ経緯や狙いについて
司会者:「海外ネットワークの充実に向けて、オランダでの設立準備とシンガポールでの現地法人化をしたとのことですが、オランダとシンガポールを選んだ経緯や狙いをお教えください」というご質問です。
土屋:まずオランダについてですが、当社はまだヨーロッパに拠点がありません。現在、ヨーロッパからもいろいろなビジネスの話が出ており、数字的にかなり大きくなる可能性があると思っています。そのようなことからヨーロッパ全土の数字を底上げしていく必要があり、その関係で先行的な投資という意味合いもありますが、現地法人を設立してビジネスを加速させようと考えています。
シンガポールについては、すでにお客さまがおり、活動もしています。設備関係のビジネスについては、かなり長期的にいろいろなビジネス展開ができそうな状況で、お客さまからも拠点の機能強化を求められていました。
そして、もう1つは設備だけではなく電子ビジネスについても、シンガポールを拠点として東南アジア地区全土で強化していきたいと思っています。そのような観点で、シンガポールに現地法人を設立することとしました。
質疑応答:オリジナル製品比率について
司会者:「オリジナル製品比率について、目標25パーセントに対して16パーセントという実績ですが、どのように評価していますか? また、オリジナル製品比率向上のための具体的な施策があればお聞かせください」というご質問です。
土屋:目標数値からは確かにまだ乖離があり、もちろん十分ではないと思っています。今後、こちらを伸ばすことにより当社の収益はより上がると考えていますので、この点は非常に重要だと思っています。
施策については、我々の持っている販売チャネルだけではなく、代理店というかたちで販売チャネルを増やしていきたいと思っています。特に、一部の商材では海外の販売チャネルを検討しています。
また、製品の開発という点では、国内や海外の大きな市場で販売が可能となるような標準製品をさらに作っていきたいと考えており、今も具体的に進めているところです。
質疑応答:中国の感染拡大や欧米の景気後退の影響について
司会者:「中国の感染拡大や、欧米の景気後退の影響はどの程度でしょうか?」というご質問です。
土屋:中国の感染拡大の影響は、設備関係の立ち上げやサービス関係で一時的に影響がありました。日本にいる当社の技術者がなかなか中国に行けなかったことなどが要因だと思います。しかし、当社の現地法人のエンジニアがいろいろなかたちでサポートをしてくれたことで、売上をかなり伸ばすことができました。
ヨーロッパについては、当社のヨーロッパでのビジネス規模は大きくないため、正直あまり影響は出ていません。現地法人を設立したことで、今後はさらに伸ばせるのではないかと期待しています。
質疑応答:スマートフォンやPC向け半導体の調整局面の影響について
司会者:「スマートフォンやPC向け半導体が調整局面ですが、業績見通しにどの程度のインパクトがありますか? また、調整局面はどの程度続くとお考えでしょうか?」というご質問です。
土屋:スマートフォンやPC向けの半導体の調整局面については、昨今新聞やいろいろなニュースでも取り上げられている話題であると認識しており、実際に調整が進んでいると考えます。かなりの在庫が積み上がっているというお話も聞きますので、正直、当社から見ても、半導体関連のお客さまはかなりの影響を受けているのではないかと思っています。
しかし、半導体にもいろいろな種類があり、その中でも「パワー半導体」は、今も忙しい状況です。当社は、特に設備関係の商品としてパワー半導体向けの設備を多く持っており、そちらの受注や売上がありますので、現状ではそれほど売上が落ちるということはありません。
半導体関係の裾野は非常に広く、先ほどお話ししたシリコンウェーハという半導体に使われる材料の需要は、まだまだ非常に大きいと言われています。確かに、一部メモリー関係でいろいろな影響が出てくる可能性もありますが、材料関係の需要は非常に強いという話もあり、当社でも関係のある設備を多くのお客さまに供給しています。
長期的な計画の中でも、未だにかなりの注文や引き合いが続いている状況です。したがって、部分的な影響は少なからず出てくるとは思いますが、大きな落ち込みにつながるような影響は出ないのではないかと思っています。
そして、現在のスマートフォンやPC関係によるメモリー関係の在庫調整がどのくらいの期間で変わり、上向きに転じるのかということに関しては、正直、今年の8月から9月あたりまで続くのではないかと考えています。10月以降は少しずつ改善されて、2024年になれば回復期に向かうのではないかと予想しています。
質疑応答:電子部品&アセンブリ商品と画像関連機器・部品の受注減について
司会者:「電子部品&アセンブリ商品と画像関連機器・部品の受注が第4四半期で減っているかと思いますが、その背景のご説明をお願いします。また、今後の受注の動向はどのように見ていますか?」というご質問です。
土屋:要因としては、先ほどのお話にもありましたが、PC・スマートフォンのメモリー関係のお客さまが生産調整をしているためだと考えています。
半導体製造装置にはいろいろな種類がありますが、メモリー向けの半導体製造装置に関しては、先々の生産計画に調整が入るだろうと予想されているお客さまが多いため、フォーキャストを弱めにして発注を調整されていることが影響したのではないかと考えています。
実際のところ、今年はしばらくこの傾向が続くのではないかと思っています。ただし、2024年に向けては、再び半導体関係の動きが上向きに変化すると予想しています。当社と同じような予想をされているお客さまは早めに動く傾向があるため、今年の後半、特に9月以降にはまた受注が少しずつ上向くだろうと予想をしています。
質疑応答:電子デバイス関連の需要後退が与える影響について
司会者:「半導体やスマホ・PCなどの電子デバイス関連の需要後退が、貴社の受注に与える影響をどのように見ていますか?」というご質問です。
土屋:現在、半導体・メモリー関係に調整の影響が出ているため、受注が少し弱まってきています。上半期では調整局面が続きますが、下半期になると2024年に向けたお客さまのフォーキャストの回復が見込まれます。
それに伴い、当社の受注もこの下半期には回復すると予想していますので、今回の影響は、比較的短期間で終わるのではないかと思っています。
質疑応答:為替影響について
司会者:「終わった期と比較すると円高かと思いますが、貴社への業績にはどのように影響するのでしょうか?」というご質問です。
土屋:為替影響については、当社は輸入・輸出の両方を行っている関係で、昨今の円高の影響は少ないほうだと思っています。
今後は海外を強化していくために、数字を伸ばしていく計画を立てていますが、国内販売のボリュームが非常に多いため、現時点では為替影響がそれほど大きくなるとは正直思っておらず、軽微だと考えています。