2022年10月に開かれた政府税制調査会にて、退職金課税の見直しが議論されました。退職金にかかる課税が強化されれば、今まで以上に慎重な退職金の管理が必要になります。

この3月末に定年退職を迎える方も多いです。

退職金ではまとまった資金が一時的に手に入るため、運用に回す人も少なくありませんが、その預け先は十分に考慮する必要があります。

この記事では、退職金の仕組みや相場金額とともに、損しないためのポイントやおすすめの預け先について解説します。

退職金とは?

そもそも退職金とは、どのようなお金のことをいうのでしょうか。自分の勤務先の制度はどうなっているのか、自分はどのくらいもらえるのか、気になる人も多いでしょう。

退職金の仕組みや相場金額について解説します。

退職時に雇用主から支払われる手当

退職金とは、会社を退職する際に、従業員に対して雇用主から支払われる手当金のことをいいます。「退職手当」や「退職慰労金」といった呼び方もあります。

一般的に、会社で定められた退職金規定に基づき、算定基礎賃金に対して勤続年数別の支給率を乗じて金額を算出します。

これまで勤務してくれた従業員に対する功労報酬や、賃金の後払いといった意味合いがあります。

退職金は定年退職時だけではありません。会社都合による退職や、自己都合による退職、懲戒解雇であっても支払われる場合があり、退職金規定によって定められています。

退職金制度のある会社は約8割

退職金の支給に関しては、明確に法律で定められていません。よって制度の有無や金額は、企業が各自で定めてもよいとされています。

ただし、企業が各自で定める就業規則や退職金規定によって退職金制度を定めている場合は、その内容のとおり支払わなければならない法的拘束力を持ちます。

厚生労働省の「就労条件総合調査(2018年)」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は80.5%です。企業規模による割合は以下のとおりです。

出所:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」をもとに筆者作成