2.2 2022年度の未調整分を2023年度で調整

2022年度(令和4年度)と2023年度(令和5年度)の上記の各指標は以下のとおりです。

出所:厚生労働省「令和4年度の年金額改定についてお知らせします」「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」より筆者作成

上記ルールにより、令和4年度は名目手取り賃金変動率(▲0.4%)が物価変動率(▲0.2%)より低かったため、既裁定者と新規裁定者の年金額が同額(6万4816円)になりました。

また、名目手取り賃金変動率と物価変動率がともにマイナスだったため、マクロ経済スライドによる調整は行われませんでした。

その結果、マクロ経済スライドの未調整分(▲0.3%)が令和5年度に繰り越されたわけです。

2023年度のマクロ経済スライドによる調整は合計▲0.6%となりました。よって、新規裁定者の改定率は2.2%(2.8%-0.6%)、既裁定者の改定率は1.9%(2.5%-0.6%)となったのです。