【育休中のリスキリング問題】いわゆるM字カーブとL字カーブとは
自民党「第211回国会における大家敏志政策審議会長代理 代表質問」によれば、自民党の大家敏志議員が「産休・育休の期間にリスキリングによって、一定のスキルを身につけたり、学位を取ったりする方々を支援できれば、子育てをしながらもキャリアの停滞を最小限にしたり、逆にキャリアアップが可能になることも考えられます」と述べています。
岸田首相はこれに対し、「育児中など、さまざまな状況にあっても、主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししてまいります」と答えました。
以前に比べて育児中の女性で専業主婦は減少しているものの、パートタイムで働く女性が多いのが実情です。
厚生労働省「2021年国民生活基礎調査の概況」によれば、18歳未満の子がいる母で働く女性は75.9%、うち正規は29.6%、非正規は37.3%です。
「共働きが主流」とはいえ、「今の育児・仕事環境でフルタイムはきつい」と感じる女性も多いと考えられるでしょう。
大谷議員は産休・育休中の親にリスキリング支援を行う企業に対して、国が一定の支援を行うなどすることで、結婚・育児期に女性の就業率が低下する「M字カーブ」や、出産時に退職、または育児後に非正規で働くようになる「L字カーブ」の解消にも資するのではと述べました。
実際に女性の年代別の就業率(M字カーブ)と正規雇用比率(L字カーブ)を見てみましょう。
女性の就業率は20歳代後半が83.6%と最も高く、30歳代後半で75.8%まで下がり、その後増加するも8割には届いていません。
正規雇用比率をみると最も高いのは20歳代後半の58.7%となっており、その後が30歳代前半で45.9%、30歳代後半で38.2%、40歳代前半で34.7%と減少していきます。