2023年2月14日に発表された、株式会社ワンキャリア2022年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社ワンキャリア 代表取締役社長 宮下尚之 氏
ミッション
宮下尚之氏:代表取締役社長の宮下尚之と申します。ワンキャリアの2022年12月期通期決算についてご説明します。
はじめに、ミッションについてご説明します。当社は「人の数だけ、キャリアをつくる。」をミッションとして掲げています。個人・企業が仕事選びに関するあらゆるデータを利用できるプラットフォームとして、3つのサービスを展開しています。はじめてのキャリアを選ぶ、就活サイト「ONE CAREER」、次のキャリアが見える転職サイト「ONE CAREER PLUS」、採用活動のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する「ONE CAREER CLOUD」です。
多くの人にとって、仕事は人生で最も時間を投資する対象です。しかし、仕事選びに関しては意思決定の基準となるようなデータが少なく、就職してから後悔する人がいまだに後を絶たない状況です。当社は、すべての個人のキャリアに向き合い、仕事選びに関するあらゆるデータを結集し、多様化する世の中において採用マーケットをアップデートしていきます。
2022年12月期 通期決算 サマリー
まずは、業績ハイライトについてご説明します。はじめにサマリーです。2022年12月期は、売上、利益ともに通期業績予想を上回る着地となりました。KPIについても順調に進捗しています。
新規取引社数が大きく成長し、法人取引累計社数が前年同期比プラス81.7パーセントとなりました。会員数も堅調に伸び、累計会員数が前年同期比プラス30.8パーセントとなっています。ユーザーからの圧倒的な支持を背景に、事業と組織を着実に拡大しています。
通期業績予想に対する達成率
通期業績予想に対する達成率です。求職者の高い利用率を背景に、新規取引社数が大きく成長しました。求人掲載やオンライン企業説明会の売上高も堅調に推移し、すべての指標において通期業績予想を超えての着地となりました。各指標の詳細については、次のスライドからご説明します。
通期売上高の推移
2018年12月期からの売上高成長率は、プラス45.2パーセントと高い成長率を維持し、堅調に進捗しています。
売上高の推移
第4四半期の売上高は前年同期比プラス28.4パーセント、通期では前期比プラス45.5パーセントと、安定的なトップラインの成長を継続しました。
コロナ禍の影響で、2021年12月期は売上高が第4四半期に偏って大きくなりましたが、2022年第4四半期の売上高の伸び率はコロナ禍前に近い状況となりました。例年同様、採用の繁忙に起因する季節性の売上変動があり、売上額としては第2四半期と第4四半期が大きくなります。なお、採用の季節性については、参考資料にて補足しています。
営業利益の推移
第4四半期は、新規取引社数の増加を目的とした広告宣伝費等の投資を行いました。通期営業利益は、前期比プラス46.6パーセントと高い収益性を継続しています。
損益計算書
P/Lとしては、すべての指標において通期業績予想を超えての着地となりました。
貸借対照表
B/Sです。第4四半期末時点で約26億円の現金および預金を保有しています。純資産比率69パーセントと、財務健全性は高い状態です。
広告宣伝費の詳細
投資の詳細についてお伝えします。まずは広告宣伝費についてです。2021年12月期までは、広告宣伝活動は主に求職者ユーザー獲得のために行ってきました。第1四半期の決算説明資料でもお伝えしたとおり、今期からは新規顧客獲得のためにも広告宣伝費の投資を開始しています。その結果、通期の広告宣伝費の総額は前期比プラス74.6パーセントとなりました。
人件費の詳細
人件費については新卒、中途ともに売り手市場の中で、従業員数を安定的に増やし、継続的な事業成長に向けたリソースを確保しています。来期以降の事業成長を見据え、積極的な採用活動を実施しており、2022年12月末時点で正社員数は120人まで到達しました。
法人取引累計社数の推移
ここからは事業KPIについてご説明します。まず、法人取引累計社数の推移です。前年同期比プラス81.7パーセントで大きく伸長し、1,853社となりました。
アップセル実績と年間取引社数
アップセル実績と年間取引社数です。継続取引企業に対しては着実にアップセルを行い、売上成長を実現しています。また、年間取引社数は前年同期比プラス87.3パーセントで大きく伸長し、1,400社を突破しました。
求職者会員数の推移
求職者会員数の推移です。前年同期比プラス30.8パーセントで伸長し、累計で127万人となりました。これは当社しか持たないキャリアデータについて、学生から支持を受けた結果だと考えています。
ビジネスアップデート
ビジネスアップデートについてお伝えします。1つ目として、学生の「ONE CAREER」利用率が60パーセントを超えました。2023年卒業予定の大学生・大学院生の利用率が60パーセントを超え、学生から圧倒的に支持されるサービスとなりました。首都圏、東海、近畿エリアでは利用率が95パーセントを超える大学も多い状況です。
2つ目として、事業拡大に向けオフィスを1.5倍に増床することとなりました。2023年2月を目処に稼働を開始する予定です。企業と求職者からの需要が大きいオンライン企業説明会用のスタジオも増設します。
3つ目として、2022年12月期に有償取引を行った年間取引社数が1,400社を突破しました。「ONE CAREER」が求職者から圧倒的に支持されるサービスとなっていることを背景に「ONE CAREER CLOUD」を利用する企業数が大きく増加しました。
ESGデータ
2022年12月期のESGに関する取り組みについてご説明します。当社では、環境に配慮した企業経営、「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションの実現、コーポレート・ガバナンスの強化をそれぞれ重視しています。このような取り組みに関連するESGデータを今回公開しました。新しい取り組みについては随時開示していきます。
キャリアデータプラットフォーム
次に、企業概要についてお伝えします。ワンキャリアは、仕事選びに関するあらゆるデータを収集し、すべてのステークホルダーがデータを利用できるプラットフォームを作ることで、未来にわたって人々が多様な働き方を尊重できる社会を推進していきます。
サービス一覧
先ほどお伝えしたように、これまで可視化されていなかったキャリアデータを活用し、就職・採用の意思決定をサポートするサービスを現在、3つ展開しています。
ビジネスモデル
当社のサービスは求職者の就職活動、企業の採用活動を支援し、利用される中で、キャリアデータが蓄積されていくビジネスモデルです。企業に「ONE CAREER CLOUD」のサービスを提供することで、収益を得ています。
継続利⽤による安定した顧客基盤
継続取引企業に対しては着実にアップセルを行い、売上成長を実現しています。年間取引社数は1,400社を突破し、創業以来の法人取引累計社数は1,800社を突破しました。
2023年12⽉期業績⾒通し
最後に、中長期の戦略についてお伝えします。2023年12月期の業績見通しです。売上高は前期比プラス41.9パーセントの40億3,000万円、営業利益は前期比プラス31.5パーセントの8億1,400万円を想定しています。
広告宣伝費の詳細
業績見通しにおける広告宣伝費の詳細です。2022年12月期に引き続き、2023年12月期も法人顧客開拓のための広告宣伝を強化します。マーケットの繁忙期を考慮し、広告効率の高い媒体への出稿を柔軟に行う予定です。
⼈件費の詳細
人件費の詳細です。正社員の採用を引き続き強化し、2023年12月末時点での正社員数は150人から170人を想定しています。年間の平均在籍人数が増えることと、給与のベースを上げることで、人件費は増加する想定です。
2026年12⽉期に売上⾼100億円、営業利益率30%を⽬指す
中長期的には、2026年に売上高100億円、営業利益率30パーセントを目指します。サービスおよび顧客の拡大により、高い売上高成長率と高収益な営業利益率を目指します。
事業展開のマイルストーン
2021年から中途採用領域でも事業を展開し、より多くのキャリアデータの収集を行うことで、データに基づくキャリア選択と、人事向けクラウドサービスの機能拡張による企業の採用DXを実現します。キャリアデータを活用することで、長期的にはその他の領域にも展開することを検討しています。
市場の成⻑ポテンシャル
足元のターゲティング市場は、新卒採用領域で1,200億円、中途採用領域で6,000億円です。現在は、新卒採用領域の中でも700億から800億円規模と言われる、求人サイト、イベント、スカウトから構成される集客マーケットに注力しています。
新卒採用領域の成⻑ポテンシャル
新卒採用領域の集客マーケットにおいて「ONE CAREER」が獲得しているトラフィック数に対して、現在は掲載社数および売上が小さいため、今後さらなる成長余地が存在していると考えています。
事業領域ごとの概況
ここからは、現在展開している事業領域ごとの概況です。各領域についてはこの後一つひとつご説明します。
事業領域
現在展開している事業領域ごとの概況について、順にご説明します。まず、人事向け採用DX支援サービス「ONE CAREER CLOUD」です。
契約数の拡大
採用人数に応じて企業を大、中、小の規模に分類していますが、それぞれにおける当社の利用企業のカバー率は低く、大きな成長余地が存在しています。
機能拡張によるクロスセル
「ONE CAREER CLOUD」は現在、主に集客領域で機能を提供しています。機能拡張とキャリアデータの拡充により、利用顧客の採用活動が自動化・可視化され、効率的な採用アクションが可能になります。
また今後、顧客からのニーズが高い応募者管理システム「ONE CAREER CLOUD ATS」と、新卒エンジニア向けサービス「ONE CAREER for Engineer」をローンチする予定です。
利用顧客
利用顧客については、業界や企業規模を問わず多様なお客さまとの取引実績があります。
事業領域
次に、大学生向け新卒採用メディア「ONE CAREER」です。
求職者会員数の増加
当社しか持たないキャリアデータが支持され、求職者会員の利用率は毎年増加し、2023年入社予定者の利用率は60パーセントを超えました。
動画機能の追加による利用率向上
2023年リリース予定の動画機能により、動画から企業を見つけられる体験を実現予定です。本機能によって新たなトラフィック増加を狙います。
学生から支持を集める新卒サービス
就職活動の情報収集および選考対策ツールとして、従来のサービスとは異なる新たな立ち位置を確立しました。新卒採用マーケット内で「ONE CAREER」が急成長し、「1年を通して最も利用した就職サイト」という調査において、3年連続で2位を獲得しています。
事業領域
最後は、求職者向け中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」です。
「ONE CAREER PLUS」の特徴
「ONE CAREER PLUS」では、これまで転職エージェントしか知り得なかった、働く人のキャリアデータを公開し、求職者がデータに基づくキャリア選択ができるように支援しています。
新卒メディア ONE CAREERとのシナジー
また、新卒採用メディア「ONE CAREER」を利用する新卒の求職者が、中途採用メディア「ONE CAREER PLUS」を利用することで、中途採用マーケットの会員を低コストで獲得できます。また、新卒採用サービスを利用する顧客からのクロスセルを実現します。
以上で、ワンキャリアの2022年12月期の通期決算説明を終了します。今後も堅調に事業を成長させていきますので、よろしくお願いします。ご清聴いただき、ありがとうございました。