60歳以降の老後に必要な貯蓄額はいくら?

2019年6月3日に公表された金融審議会市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」では、高齢夫婦無職世帯では、20年で約1300万円、30年で約2000万円が不足する可能性があると公表されました。

「老後2000万円問題」は一時期話題になりましたね。

同報告書では、以下の仮定のもとに上記の不足額を試算しています。

出所:金融審議会市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

  • 高齢夫婦2人暮らし
  • 夫婦共に働いていない
  • 公的年金を主な収入源とする
  • 毎月の実収入20万9198円
  • 毎月の実支出26万3718円
  • 毎月の不足額約5万4520円

毎月の不足額を20年間、30年間で積算すると、老後生活で不足する金額は以下のとおりです。

<20年間>

  • 5万4520円×12カ月×20年間=1308万4800円

<30年間>

  • 5万4520円×12カ月×30年間=1962万7200円

2022年7月29日に公表された厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」によると、60歳時点の平均余命は男性24.02年、女性29.28年です。

出所:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」

仮に老後生活を25年とした場合、不足額は以下のとおりです。

5万4520円×12カ月×25年間=1635万6000円

実際には個人差がありますが、平均余命に基づき、老後資金を試算した場合、大半の世帯が老後に必要な資金を用意できていない可能性があります。