60歳代「貯蓄の平均・中央値」とは。老後資金は何歳から使う?
今年の冬も非常に冷えており、光熱費の上昇も非常に気になりますが、年金生活に切り替わったら年金だけでこの物価の波は乗り切れるのでしょうか。
今回は老後の準備をしていた人がその老後資金をいつ頃から使い始める人が多いのかを考え、みんなの老後資金への意識、そして年金受給がスタートする60歳代の貯蓄額に関するデータについて紐解いていきます。
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1. 「老後の資金」みんな何歳から使い始める?
「老後のスタートはいつから?」と聞かれたとき、その答えは人それぞれでしょう。子どもが巣立った、孫が生まれた、といった家族のライフイベントをきっかけにセカンドライフが始まる方も多いですね。
とりわけ「お金の面」に着目すれば、勤務先を定年退職したり、年金を受取り始めたりする人が多い「65歳」と考える人も多いでしょう。
では、みんなが「老後資金」を使い始めるタイミングは何歳ごろなのでしょうか。生命保険文化センターの調査結果を見てみます。
老後資金の使用開始年齢 平均:66.8歳
- 59歳以下:1.0%
- 60歳:11.7%
- 61~64歳:1.7%
- 65歳:34.2%
- 66~69歳:2.0%
- 70歳:23.4%
- 71歳以上:9.3%
- わからない:16.7%
老後資金を使い始めるタイミングとして最も多かった回答はを「65歳」。次いで70歳が約2割、60歳が約1割強ですね。
「老後は漠然と訪れる」というより、60歳、65歳、70歳といった「区切りの良いタイミング」で使い始める人が多いようです。
ちなみに、厚生労働省「令和3年 簡易生命表の概況」によると、男性の平均寿命は81.47歳、女性は87.57歳です。65歳から老後と考えると、男性は約16年間、女性は約22年間の老後生活があると考えると良さそうです。
そこまで元気で長生きできればそれに越したことはありませんが、歳を重ねることで、健康面での不安が増えることも考慮しなければなりません。公的年金だけを頼りに生きていくことは難しいと考えている方も多いでしょう。
遠い将来を見据えた貯蓄は、現役時代の早い時点で意識しておきたいですね。60歳や65歳などの時点でまとまった蓄えがあるかどうかで、老後の安心感は大きく変わります。
そこで気になるのが、世帯の貯蓄額ですね。
いまの60歳代世帯は、実際にどれほど貯蓄ができているのでしょうか。「二人以上の世帯」と「おひとりさま世帯」に分けて、60歳代世帯の貯蓄事情を確認していきます。