4. 【厚生年金】一般的な夫婦世帯の年金月額は?

さて、2023年1月20日、厚生労働省が令和5年度(2023年度)の公的年金額の引き上げを発表しました。

厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」

2023年度に新たに老齢年金を受け取り始める場合、標準的な夫婦世帯のひと月の年金額は「21万9593円」。標準的な夫婦世帯の目安となる年金が約22万円と冒頭でお伝えしたのは、この数字です。

表中に「夫婦2人分の老齢厚生年金を含む標準的な年金額」と但し書きがあります。これは、厚生年金のモデル夫婦が受け取る年金額で「平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で、40年間就業した場合の、老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の受給額を指します。

ひらたくいうと、「40年間ずっと、夫が標準的な収入のサラリーマンで、かつ妻が専業主婦だった」ケースなのです。専業主婦世帯が多数派であった「今の年金受給世代」にとっては一般的といえる形態といえますね。

しかし、働き方の多様化が進み、共働き世帯が増えるこんにち。いまの現役世代が年金を受給する頃には、この「標準的な夫婦世帯」の定義も変化していることが考えられるでしょう。

とはいえ、今のシニア世代が受け取る年金額を知ることは、老後の暮らしをイメージする上である程度の参考となりそうです。

4.1 夫婦の老後には、ひと月いくら必要?

ちなみに、生命保険文化センターが行った意識調査では、夫婦老後のひと月の生活費として必要な金額は「最低日常生活費」で23万2000円、「ゆとりある生活費」で37万9000円という結果に。

老後に受け取る年金額には当然個人差・世帯差があります。とはいえ、「年金だけ」で老後の生活を過ごせる世帯は決して多くはないでしょう。年金だけに頼らないための「お金の準備」が必要になってきますね。