3. 40歳代~50歳代「老後に向けた資産形成」は、不労所得づくりがポイント

ご覧いただいた資料から、40歳代から50歳代にかけて資産が着実に増えていることが分かりました。この貯蓄を使って老後の資金を考えることがその後の生活を大きく左右します。

まさに働き盛りといえるこの世代。日々の仕事に忙殺されながら、「住宅ローンや教育費のことで頭がいっぱい!老後資金にまで手が回らない」という世帯が多くても不思議ではありません。

しかし、住宅・教育関連の支出が落ち着いたころには「老後の入り口」に入っていると心得て、先手先手でリタイヤ後を見据えたマネープランを作る態勢を作っておけるとよいですね。

そこで、今回の本題である「資産を増やすポイント」として、不労所得の作り方をご紹介していきます。

3.1 不動産所得を持つ

「不労所得の王道」ともいえるのが不動産投資です。マンションやアパートなどを購入し、そこから家賃収入を得る方法ですね。

物件の規模(部屋数)などによっては、例えば毎月30万円以上の家賃収入を見込むこともできるでしょう。しかし、購入時にはまとまった資金が必要です。また、金融機関でローンを組む場合、投資用物件となるため住宅ローンより高い金利となる点も頭に入れておきましょう。

固定資産税や修繕費用といったランニングコスト、管理の手間などについてもしっかり確認が必要です。

もちろん、うまくいけば安定した収入を得られる場合もありますが、空室を埋めるために賃料を下げる必要が生じたり、はからずも事故物件となり借り手がつかなくなったり、といった事態も想定しておく必要がありますね。

不動産投資は、一見手軽に始めることができそうなイメージもありますが、こうしたリスクを考えると初心者にとってはハードルが高い点も多いでしょう。

3.2 投資信託を保有し、分配金から収入を得る

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投資信託とは、複数の投資家から集めたお金を資産運用のプロ(ファンドマネージャー)が複数の運用先に投資して、収益を得る金融商品です。

毎月の収入を希望する人に好まれやすいのは「毎月分配型」の投資信託でしょう。

実際に分配金分の運用利益が出ていなくても、あらかじめ決められた分配金額が支払われる仕組みになっているため、元本を取り崩して「タコ足分配」になる可能性がある金融商品です。

目先の分配金はあらかじめ期待できたとしても、運用資産自体が目減りしてしまう可能性もあります。不労所得づくりに投資信託の分配金を活用を考えた場合は、運用実績などをしっかりチェックした上で、ファンド選びをしてみましょう。

4. まとめ

本日は40歳代・50歳代の貯蓄事情をながめたあと、その先の老後生活が始まる前に取るべき対策についてお話をしました。

2019年前に「老後資金2000万円問題」が世間の注目を集めましたね。長寿時代に人生を送る上で、お金の面での「自己防衛」の重要性は、日々浸透してきているように思えます。

まずは自身の資産状況を把握しましょう。そして資産運用で「お金を働かせる」発想を持つことが、豊かな老後を手に入れる足がかりになればと思います。

参考資料

足立 祐一