4. 三菱商事の株の下落要因2.慎重な業績見通し
2022年11月に発表された2023年3月期第二四半期決算は好業績だったにもかかわらず、決算発表後の株価は反落しました。この時には、決算と共に発表された業績見通しが保守的だったことも下落要因と考えられます。
資源価格の高騰などにより、2022年11月時点で三菱商事の業績が良好であることはすでに市場に認識されていたと思われます。そのような中、想定より業績の見通しが慎重だったことが、かえって市場に失望をもたらすことになったのではないでしょうか。
実際に、2022年度第2四半期決算説明会の質疑応答においても、業績見通しが保守的であることに対する指摘が出ています。
5. 三菱商事の株は資源価格と世界景気の動向に着目
今回紹介したように、三菱商事の株価は資源価格の動向や世界景気、および株価動向の影響を受けやすい株式といえます。
IMFが2023年は多くの国で経済が減速するとの見通しを示しているなど、今後の景気動向には留意が必要です。
三菱商事の株価を考えていく上では、このような景気動向や資源価格の動向に着目していきましょう。
参考資料
- 三菱商事「2022年3月期 決算短信」
- 三菱商事「2023年3月期 第1四半期決算短信」
- 三菱商事「2022 年度第2四半期決算説明会 質疑応答」
- 三菱商事「2022年度第2四半期決算 決算説明資料」
- 新電力ネット「石炭価格の推移」
- FRB FOMC「Federal Reserve Press Release」
- IMF「世界経済見通し」
宮野 茉莉子