3. 三菱商事の株の下落要因1.世界的な景気減速懸念や金融引き締めの波及

世界中のさまざまな原料や商品の売買で収益を稼ぐ商社は、景気動向に比較的敏感な業種とみなされます。

そのため、国内外の景気動向や株式市場の影響を受けやすいという特徴があります。

2022年は3月に米国FRBにゼロ金利の解除が行われたのを皮切りに、高止まりするインフレを抑えるための急速な利上げが先進国で実施されました。

インフレの過熱と、急速な金融引き締めは株式市場にとってマイナス要因です。

2022年半ばごろからは景気減速に対する懸念も高まっていったこともあり、たとえば下図の米国株式の値動きのように、2022年の株式市場は総じて不調でした。

米国株式「S&P500」の値動き(2021年12月30日~2022年12月30日)

出所:各種資料をもとに筆者作成

三菱商事も、2023年1月期第二四半期の決算発表における質疑応答などで、景気動向に対する不透明感に対する懸念を示しています。

2022年の商社株においては、このような世界的な株安の影響を受ける形で下落する局面も見られたと考えられます。

特に米国において+0.75%の急激な利上げが行われた2022年6月ごろには、米国株などが急落したことを受けて、三菱商社の株価も大きく下落したと思われます。