2017年7月3日、リニューアルしたばかりの「iDeCo公式サイト」(※)で2017年5月のiDeCo加入者数や、加入者の種別ごとの掛け金額などが公表されました。
※2017年6月29日に国民年金基金連合会「個人型確定拠出年金」ホームページが「iDeCo公式サイト」にリニューアル
2017年5月の新規加入者数は約3万人。4月から半減した理由は?
「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(平成29年5月)」によると、2017年5月の新規加入者数は、29,604人。制度拡充前の前年同月に比べると大幅な伸びを示しているものの、気になるのは、2017年4月の新規加入数からは半減している点です。
これは、従来から資産形成に興味を持ち実践してきた人々がiDeCoについても比較的早い段階から情報収集をして加入申し込みを済ませ、その波が一旦落ち着きつつあることの表れと言えるでしょう。その一方、まだまだ全体として認知度が低いという状況も見てとれます。
なお、2017年5月の加入者総数は517,093人となり、50万人の大台を突破しています。
掛け金の拠出状況は? 公務員は限度額いっぱいまで拠出する人が9割以上!?
では、すでにiDeCoをはじめている人は月々いくらずつ積み立てているのでしょうか。
公開されたデータによると、第1号加入者(自営業者など)の掛け金の平均は26,780円、第2号加入者(会社員など)は14,713円となっています。
最大で月々68,000円まで積み立てられる自営業者ですが、加入者のほぼ半数は5,000~14,000円の範囲で積み立てているようです。一方、65,000~68,000円に設定している人も約2割いることから「無理のない範囲でコツコツ」という人と「老後のためにしっかり」という人に二極化する傾向があるといえます。
一方、会社員などの第2号加入者のうち、企業年金のない企業に勤める人(拠出限度額23,000円)の場合、掛け金の平均は15,987円であるものの、半数以上が限度額いっぱいに近い19,000~23,000円を毎月積み立てていることがわかります。
さらに、公務員などの共済組合員(拠出限度額12,000円)に関しては、加入者の9割以上が掛け金額を10,000円以上としており、掛け金の平均も11,329円と拠出限度額に近い状況になっています。
まとめ:iDeCoの掛け金は自分のライフスタイルにあわせて決めよう
iDeCoは老後の資産形成を応援するための制度で、メリットは次の3点です。
1.iDeCoの掛け金は全額所得控除の対象=所得税・住民税の節税になる
2.運用益が非課税になる
3.受け取るときにも税優遇が受けられる
また、iDeCoの掛け金は月5,000円からで、それぞれの拠出限度額までの範囲内であれば、加入者が自分自身で決めることができます(1,000円単位で設定)。
とはいえ、iDeCoでは掛け金の前納、追納が認められていません。また、掛け金の変更も毎年4月から翌年3月の間で年1回しかできません。したがって、60歳まで引き出せないことやライフステージの変化も考えれば、毎月確実に積み立てていけるよう、無理のない金額に設定することが重要です。
節税効果は魅力的ですが、この間のさまざまなライフイベントで必要なお金まで拠出してしまっては、いざという時に困ります。あくまでも「老後のためのお金」と割り切って、無理のない範囲で積み立てつつ、定期的に積立額を見直していくことも必要でしょう。
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LIMO編集部