1. どのくらい厚生年金をもらっているか

老齢厚生年金・国民年金(以下、老齢基礎年金)を含めて、実際にみんなはどのくらいもらっているのでしょうか。

統計データでは平均的なデータしか注目されませんが、厚生労働省年金局が2022年12月に発表したデータを見るとわかることがあります。

1.1. 「年金」ひと月10万円未満の割合

2022年12月に厚生労働省年金局より発表された、「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、多くの方の年金額が少ない状況です。

以下に記載しているものは、厚生年金保険(第1号)のことです。

厚生年金保険(第1号)の受給者は、わかりやすくお伝えすると、平成27年9月以前から厚生年金だけに加入している方で、障害年金や遺族年金の受給者でない方などです。

国民年金の第1号被保険者(自営業や自由業、学生)と似ているのですが、全くの別物です。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

厚生年金保険(第1号)被保険者の方で、男女合計で1618万人のうち、374万人の23.1%が月額10万円未満の年金の受給者であることがわかりました。

2. 「厚生年金10万円未満」男女別で考えるとどうなるか

男性では1082万人中118万人が「厚生年金10万円未満」です。割合にして、約11.0%で9人に1人です。

一方、女性では535万人のうち256万人で48.8%と、実に2人に1人が1ヶ月あたりの老齢厚生年金と老齢基礎年金の合計が10万円未満となっています。

上記はあくまでも、厚生年金に加入していた方の数です。

国民年金だけに加入していた方は、満額をもらう場合でも、年額77万7800円(月額で約6万4000円)と、多くの方が少ない金額となります。