帝国データバンクの「今月値上げ 580 品目 来月は 4000 品目超で予定」によれば、2023年の食品値上げ(2022年12月31日時点)品目数は4月までで累計7390品目となっており、特に2月は4283品目にもなります(2023年1月5日公表)。

2月は2022年10月に次ぐ食品の値上げ品目数の多さとなっており、また寒さも厳しい時期ですから電気代やガス代も増え、家計への圧迫は避けられないでしょう。

特に60歳代となり、リタイアを考えている方は、値上げが続くいま年金生活をはじめられるのか悩まれる方も多いと思います。

実際にリタイアした65歳以上の世帯はどれくらいの貯蓄を保有しているでしょうか。65歳以上・リタイア世帯の生活に迫ります。

リタイアできる?65歳以上・無職世帯の貯蓄はいくらか

まずは総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上・無職世帯の貯蓄現在高を確認しましょう。

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出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

出所:総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」

上記を見ると2021年の平均的な貯蓄現在高は2342万円でした。

2016年からの推移をみると、いずれも2000万円台前半となっていることがわかります。

ただし、平均は一部の富裕層の影響をうけます。

同資料より、二人以上の世帯で、うち世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高の階級別の世帯分布も確認しましょう。

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出所:家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)

出所:家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)

二人以上世帯(うち世帯主が65歳以上の世帯)

  • 300万円未満:14.8%
  • 300万円以上~2500万円未満:51.9%
  • 2500万円以上:33.3%

上記は二人以上世帯で世帯主が65歳以上の世帯全体にはなりますが、2500万円以上保有している世帯は3割いる一方で、300万円未満の世帯も約15%となっており、バラつきが大きいことがわかります。

老後の貯蓄目安となるのは月々の生活費や旅行などの費用、病気や介護の備えなどをあわせた金額になります。

ではリタイア後の生活費はどれくらいでしょうか。

リタイア後「65歳~75歳以上・無職世帯」の月の収支は?

総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」より、65歳以上・夫婦のみ無職世帯の家計収支を確認しましょう。

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出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

65歳以上・夫婦のみ無職世帯の月の家計収支

  • 実収入:23万6567円(うち社会保障給付21万6519円)
  • 支出合計:25万5100円
  • 消費支出:22万4436円
  • 非消費支出3万664円
  • 月の収支:▲1万8525円

支出合計は約25万円となり、平均で約2万円の赤字となりました。

65歳以上・無職世帯の年齢階級別の実収入と支出も見ていきましょう。

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出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

65歳以上・無職世帯の年齢階級別:実収入・支出合計

  • 65~69歳:27万1086円・30万1812円
  • 70~74歳:24万8556円・27万3686円
  • 75歳以上:23万9876円・23万9391円

上記を見ると、「75歳以上」は収入と支出がほぼ同じですが、60歳代後半と70歳代前半では月3円前後赤字なのがわかります。

また、60歳代後半と75歳以上を比べると、収入が約3万円、支出が約6万円減っていることがわかります。

年齢を重ねれば交際費などが減るものの、医療費がかかるご家庭もあると思います。長い目で見たマネープランを考える必要があるでしょう。

まずはねんきん定期便やねんきんネットの確認を

65歳以上・無職世帯の実態を見てきましたが、実際には個人差が大きくなります。

まずはリタイア後の生活の柱となる、公的年金の受給予定額をねんきん定期便やねんきんネットで確認し、マネープランを考えるといいでしょう。

老後に必要な資金はまとまった金額になるため、できれば早いうちから確認し、どう備えるか、いつまで働くか検討されることをおすすめします。

また、先ほどの65歳以上・無職世帯の持ち家率を見ると、65~75歳以上まで9割以上が持ち家でした。

持ち家の方の場合は、月の支出がさらにかかる場合もあります。老後の生活費は固定費がいくらかかるかによっても左右されるため、家賃や車にかかる費用も考えておきたいものです。

値上げの先行きは不透明ですが、まずは現状の把握から行い、仕事や貯蓄、資産運用など、老後に向けてできることの選択肢を複数挙げてみましょう。

参考資料

宮野 茉莉子