日経平均は利益確定売りなどで6日ぶりの反落
2023年1月13日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比330円30銭安の2万6119円52銭となりました。6日ぶりの反落です。
前日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸していましたが、日経平均は5日続伸していたことから、利益確定売りが出やすい局面でした。
また、外国為替市場で円高・ドル高傾向になっていることから、自動車、機械など輸出関連銘柄も売られました。
今週の動きはどうなるでしょうか。
2023年1月13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比112ドル64セント高の3万4302ドル61セントで終えています。
昨年12月上旬以来の高値圏です。12日に発表された12月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比の上昇率がマイナスとなり、前年同月比の伸び率も縮小しました。
また、2023年1月13日午前にミシガン大学が発表した1月の米消費者態度指数では、消費者が予想する1年先のインフレ率が4%となり、2022年12月(4.4%)から低下しました。
これらを受けて市場では、インフレが鈍化したことにより、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩和するという見方が広がり、買いが優勢になりました。
ただし、FRB高官からは利上げを当面維持するというタカ派発言が相次いで出されており、楽観はできません。
国内情勢で注目すべきは、2023年1月17~18日に開催される日銀の金融政策決定会合です。日銀は昨年12月に長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げました。市場にとっては大きなサプライズでした。
今後さらに金融緩和を縮小するのかどうか市場の関心も高まっています。円相場は前週、1ドル=127円台半ばと、一時2022年5月以来の円高水準となりました。
今週も、政策見通しをめぐって為替相場が振られることになりそうです。
世界的にインフレが加速しています。国内でも、原油価格や小麦価格など、原材料費の高騰にともない、値上げを実施する企業が増えています。
このような動きが長期化すれば、消費者の買い控えを招くことになり、企業の業績にも影響を与えることになるでしょう。
2万5500円~2万6500円の間でもみ合う展開か
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は中期的なチャネルの下限である2万5500円付近で下げ止まっていたことから、ここからの反発が期待されるところでした。
祝日明けの2023年1月10日には窓をあけて上昇して寄り付きますが、その後は十字線のような形になって勢いがありません。実際に、11日、12日と短いローソク足となって伸び悩みます。週末13日には大きな陰線となって下落してしまいました。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。
短期的にはチャートの形はよくありません。先週初は上昇しましたが、直近の戻り高値である2022年12月27日の高値(2万6620円)を超えることができませんでした。
さらに、13日に下落したことでダブルトップのような形になっています。25日移動平均線が75日移動平均線を上から下に抜けるデッドクロスが形成され、さらに、25日線、75日線と200日線とでもデッドクロスができています。短期的には下目線となります。
ただし、中長期的にみると、2万6000円割れ付近では押し目買いも入りやすいところです。しばらくは、2万5500円~2万6500円の間でもみ合う展開が続くかもしれません。
判断が難しいようであればどちらかに抜けてから出動してもいいでしょう。今週まずは、直近の戻り高値である1月12日の高値(2万6547円)を抜けることができるかどうかがポイントになります。
参考資料
下原 一晃