【おひとりさまシニア】ひと月の生活費は約15万円。では「老後の年収」の目安とは

2. 年金の平均受給月額はいくらか

さて、老後の収入源と聞いてまず浮かぶのが「公的年金」でしょう。

日本の公的年金は1階部分の「国民年金」と2階部分の「厚生年金」の2階建て構造です。会社員・公務員などのサラリーマンは国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。

ここからは今のシニア世代が受け取る国民年金と厚生年金の受給額事情を、厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに見ていきます。

さいしょに「国民年金」のみを受け取る人の受給額事情から。

出所：厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

男女全体：平均月額　5万6368円

国民年金の満額支給（2022年）は6万4816円です。老後の収入源が国民年金だけの場合、満額支給でも目安となる200万円を大きく下回りますね。

厚生年金についても同資料で確認します。

出所：厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

男女全体平均月額：14万3965円

厚生年金の場合、全体平均は14万3965円。厚生年金を上乗せ受給するため、国民年金のみを受け取り場合よりも手厚い受給額となっています。とはいえ、男女差・個人差が大きいこともわかりますね。

平均的な年金月額を受取る男性であれば年収200万円に近いですが、女性平均では年収200万円には届きません。

女性の場合、とりわけいまの年金受給世代では、出産や育児、介護といった家庭の事情で厚生年金に加入して働く期間が短い人が多いですね。こうした「働き方」の特徴が、年金額の男女差を生む背景の一つであることは間違いないでしょう。

ここまで見てきたとおり、厚生年金を受け取れる場合でも、実際の受給額には個人差があります。「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、ご自身の年金見込み額を把握しておきましょう。