3. 住民税非課税世帯への優遇措置3つ

住民税非課税世帯は住民税が免除される以外にも、さまざまな助成を受けることができます。今回は3つご紹介します。

3.1 国民健康保険の保険料減免、高額医療費負担の軽減

住民税非課税世帯は、国民健康保険の保険料の所得に応じた減免制度が各自治体で行われています。

高額療養費制度についても、通常の負担額よりも低く設定されています。

「高額療養費制度」とは、月の医療費の自己負担額が高額になった際、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。自己負担限度額は、収入額や年齢などによっていくつかの水準で設定されています。

70歳未満の住民税非課税世帯は、世帯ごとのひと月の上限額が「3万5400円」(※)と決まっています。

※厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

3.2 2歳未満の保育無償化

「幼児教育・保育の無償化」によって、3歳~5歳児の幼稚園や保育所、認定こども園などの利用料は原則無料ですが、0~2歳児については対象外のため有料になっています。

住民税非課税世帯の場合には、この0~2歳児にかかる幼児教育、保育にかかる利用料も無料となります。

3.3 大学など高等教育を受ける支援

教育費において費用が高額になるのは、やはり大学で学ぶための費用です。

住民税非課税世帯の場合、大学無償化制度を利用できるため、大学や短大、専門学校など制度対象校は令和4年で3175校(※)あり、授業料や入学金が免除もしくは減額されます。

(※)参照:文部科学省「高等教育の修学支援新制度の対象機関リスト」 

また日本学生支援機構から、学生生活費として給付型奨学金を受けることもできます。

出所:文部科学省 「高等教育の修学支援新制度」をもとに筆者作成

出所:文部科学省 「高等教育の修学支援新制度」をもとに筆者作成

このほかにも、情勢に応じた対策も取られることがあります。

その他、自治体が独自に行っている支援もあります。お住いの自治体での助成制度があるか、チェックしてみるとよいでしょう。