2. 60歳代「老後の2000万円を持つ世帯」は何割か

続いて、60歳代の年金生活を支える「貯蓄」についても確認をしましょう。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」によると60歳代の貯蓄額は以下の通りです。

2.1 60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」

  • 平均:2427万円
  • 中央値:810万円

60歳代の平均貯蓄額は2427万円。この平均額だけを見ると、かつて話題となった「老後2000万円問題」のラインは超えています。

しかし、より実態に近いのは中央値の810万円。平均額との乖離は大きいですね。グラフからは、2000万円以上の貯蓄を保有する世帯は約3割だとわかります。つまり、約7割の世帯は、貯蓄2000万円に届いていないわけです。

年金だけの生活が苦しい場合には貯蓄など保有資産の大きさが生活に大きな影響を与えます。2427万円と810万円では大きな差があるため、いかに保有資産を多くして老後を迎えるかがポイントと言えるでしょう。