1. 意外に多い「日本の50歳代」貯蓄ゼロの割合
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」を参考に、50歳代・二人以上世帯の全体の貯蓄を見ます。
1.1 50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯を含む)
- 平均:1386万円
- 中央値:400万円
平均では1000万円を超えますが、より実態に近い中央値(※)をみると400万円にまで下がります。
分布を見ると、50歳代で貯蓄2000万円を超えているのは19.5%いる一方で、無貯蓄世帯も23.2%とおよそ4世帯に1世帯となります。
1.2 ※平均と中央値※
平均と中央値の違いについても、簡単に触れておきましょう。平均は一部の大きな値に引っ張られ、しばしば実態とはかけ離れるケースがあります。
一例を挙げると、
年収2000万円、500万円、200万円の社員が1人ずついた場合、「平均年収」は900万円です。
これでは、あまり実態を捉えているとは言いにくいですね。
一方、「中央値」は、データを小さい順に並べた時に、ちょうど真ん中に来る値を示したものです。よって、「平均値」ではなく、「中央値」でみた方が、より実態に近いといえます。
さて、この50歳代「無貯蓄世帯」の割合は、世帯年収でどう変わるでしょうか。次で詳しく見ていきます。