3. 年金からの天引き額は上がり続けている?その理由とは
日本の公的医療保険制度は、他国と比べても高い水準となっています。
基本的には受診する医療機関を自由に選ぶことができ、かつ安い自己負担額で高度な医療を受けることができます。
その恩恵もあり、いまでは日本の平均寿命は世界最長となりました。
しかし、日本の人口ピラミッドが大きく変化したことで高齢者にかかる社会保障費は右肩上がりに増加し、財源を圧迫しています。
2060年には総人口が8674万人に減少し、年金受給世帯にあたる65歳以上が4割を占めると推計されています。
推計どおりに人口ピラミッドが変化していった場合、社会保障を維持するのは至難の技だといえるでしょう。
実際に後期高齢者医療制度では、この10月から一部の人の自己負担割合が2割に引き上げられています。
おなじく高齢化の影響を受ける介護保険料の金額は、この20年で月額2911円から6014円に上昇しています。
制度を維持するには、「保険料を上げる」「公費の負担を減らし、国民の自己負担を増やす」ほかありませんから、年金からの天引き額は今後も増加していくでしょう。