2020年の今日公開された記事をプレイバック!もう一度読み直したい、「編集部セレクション」をお届けします。
(初公開日:2020年12月9日)

「モンスタークレーマー」という言葉も定着して久しくなりました。理屈の通らないことを言ったり、執拗なまでに謝罪を求めたりするクレーマーへの対応に苦戦している企業も多いようです。そこで今回は、接客業で働く4人に、驚くべきクレーマーの実態について聞いてみました。

執拗に名前と住所を聞いて脅す

ある企業のコールセンターで働いている30代のAさんは、執拗にオペレーターの個人情報を引き出そうとするクレーマーの対応に苦労していると言います。

「ちょっとした言い間違いや言葉遣いに文句をつけてきて、『お前の名前はなんて言うんだ』と名前を聞いてくる。オペレーターが山田です、と苗字を告げると『下の名前まで言え!』と怒鳴りつける。エスカレートすると『会社はどこにあるんだ、今から行ってやる』『お前個人の電話番号を言え』などと恐怖心をあおるようなことを言ってくる」とのこと。

「ある新人オペレーターは、『フルネームを言え』『どこに住んでいるんだ、ツラを見に行ってやる』と何度もしつこく凄まれて、やめてしまった。彼女はかなり優秀だったけれど、『この会社で働いているだけで、なんでこんなに怖い思いをしなきゃいけないのか』と言われて、さすがに私も心苦しかった。彼女のオペレーションに誤りがあったわけではなく、因縁をつけるようなクレームだったから彼女がそう思うのも無理はない」と続けます。

個人を特定しようとしてくる言動には恐怖を感じてもおかしくありません。Aさんの会社では、偽名を使うことも許可しており、内部のデータ管理システムに書き込むときに、本名とその際に使った偽名を入力して管理しているようです。

「そこまでしないと社員を守れないなんて悲しい世の中になったと思うけれど、悪質なクレーマーがいる限り仕方ない。偽名を使うことでオペレーターのみんなのストレスや心理的負担を和らげることができているのなら、業務に支障がない範囲でこういう対策も必要」と話していました。