4. 年金の給付水準は、ときによって変わる

額面の年金額だけの確認はしていても、実際に振り込まれた年金額を見て驚く方は少なくないでしょう。税金と社会保険料は生涯払うものとして認識しておきましょう。

また、いまの年金給付水準がこの先も維持されるとは限りません。

「所得代替率」という、年金額に関する指標があります。年金受給スタート時点(65歳)の年金額が、現役世代の手取り収入額(含む賞与)と比べてどの程度の割合かを示すものです。

たとえば、「所得代替率が60%」の場合、そのときの現役世代の手取り収入の60%を年金として受け取れる、という意味になります。

2019年に公表された将来の公的年金の財政見通しでは、日本の経済成長が最も進むシナリオの場合であっても、2046年度の所得代替率は51.9%程度と、現在の所得代替率 (2019年度、61.7%)から10%程度低下するとされています。

現状の年金でも多いとは言えないなか、将来において既に所得代替率が下がる見通しとなっており、現状確認している年金額については減る可能性を考えておきたいところです。