1. 在職老齢年金とは
原則65歳から厚生年金を受給することになりますが、65歳以降も働く方は多いものです。
この場合、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となります。これを在職老齢年金といいます。
つまり、給与が一定以上になると年金がカットされてしまうのです。ただし、2022年4月の法改正により、基準となる給与額が大幅に上がりました。
2. 厚生年金が減額となる給与目安はいくら?
対象となる金額は、年金と給与の合計金額で決まります。
まずは日本年金機構の「在職老齢年金の計算方法」より、年金が減額となるかどうかのフローチャートを見ていきます。
2.1 在職老齢年金で調整したときの年金額
〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円以下の場合〉
- 全額支給
〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円を超える場合〉
- 基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2
2.2 【65歳未満の方】2022年3月以前の在職老齢年金による年金額
〈基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合〉
- 全額支給
〈総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円以下の場合〉
- 基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2
〈総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円超の場合〉
- 基本月額-総報酬月額相当額÷2
〈総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円以下の場合〉
- 基本月額-{(47万円+基本月額-28万円)÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}
〈総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円超の場合〉
- 基本月額-{47万円÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}
標準報酬月額は、毎月の給与と若干ずれるものです。「ねんきん定期便」等で確認してみましょう。
上記の基準額を超えそうになると、働き方を調整した方がいいケースもあります。