12月15日は、2022年最後の年金支給日です。

年金は2ヵ月に1度の振込なので、支給日を心待ちにしている高齢者も多いでしょう。

年金生活になるのは不安だからと、働き続ける方もいます。一見、経済的には安定するように思えますが、働きながら厚生年金を受給するには注意点があります。

在職老齢年金といって、給与の額によっては年金額が調整・支給停止されてしまうのです。

給与の目安や注意点についてみていきましょう。

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1. 在職老齢年金とは

原則65歳から厚生年金を受給することになりますが、65歳以降も働く方は多いものです。

この場合、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止となります。これを在職老齢年金といいます。

つまり、給与が一定以上になると年金がカットされてしまうのです。ただし、2022年4月の法改正により、基準となる給与額が大幅に上がりました。

2. 厚生年金が減額となる給与目安はいくら?

対象となる金額は、年金と給与の合計金額で決まります。

まずは日本年金機構の「在職老齢年金の計算方法」より、年金が減額となるかどうかのフローチャートを見ていきます。

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出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

2.1 在職老齢年金で調整したときの年金額

〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円以下の場合〉

  • 全額支給

〈基本月額と総報酬月額相当額との合計が47万円を超える場合〉

  • 基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2

2.2 【65歳未満の方】2022年3月以前の在職老齢年金による年金額

〈基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下の場合〉

  • 全額支給

〈総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円以下の場合〉

  • 基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2

〈総報酬月額相当額が47万円以下で基本月額が28万円超の場合〉

  • 基本月額-総報酬月額相当額÷2

〈総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円以下の場合〉

  • 基本月額-{(47万円+基本月額-28万円)÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}

〈総報酬月額相当額が47万円超で基本月額が28万円超の場合〉

  • 基本月額-{47万円÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}

標準報酬月額は、毎月の給与と若干ずれるものです。「ねんきん定期便」等で確認してみましょう。

上記の基準額を超えそうになると、働き方を調整した方がいいケースもあります。

3. 厚生年金の受給額は月平均いくらか

65歳以上の給与が高いと、年金額が調整されることがわかりました。しかし、そもそもの年金額にも左右されてきます。

年金が少なければ働く必要もあるため、年金額も気になりますよね。

次は今の高齢者が受給している「厚生年金」の受給額をご紹介します。

3.1 【厚生年金保険(第1号)】の平均月額

厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は下記のとおりです。

〈全体〉平均年金月額:14万4366円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万4742円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万3808円

※国民年金の金額を含む

ただし、平均だけでは現状がつかみきれません。

さらに状況がわかるように、受給額ごとの人数もまとめてみました。

3.2 厚生年金月額ごとの受給者数

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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

  • 1万円未満:10万511人
  • 1万円以上~2万円未満:1万8955人
  • 2万円以上~3万円未満:6万6662人
  • 3万円以上~4万円未満:11万9711人
  • 4万円以上~5万円未満:12万5655人
  • 5万円以上~6万円未満:17万627人
  • 6万円以上~7万円未満:40万1175人
  • 7万円以上~8万円未満:69万4015人
  • 8万円以上~9万円未満:93万4792人
  • 9万円以上~10万円未満:112万5260人
  • 10万円以上~11万円未満:111万9158人
  • 11万円以上~12万円未満:101万8423人
  • 12万円以上~13万円未満:92万6094人
  • 13万円以上~14万円未満:89万7027人
  • 14万円以上~15万円未満:91万3347人
  • 15万円以上~16万円未満:94万5950人
  • 16万円以上~17万円未満:99万4107人
  • 17万円以上~18万円未満:102万4472人
  • 18万円以上~19万円未満:99万4193人
  • 19万円以上~20万円未満:91万6505人
  • 20万円以上~21万円未満:78万1979人
  • 21万円以上~22万円未満:60万7141人
  • 22万円以上~23万円未満:42万5171人
  • 23万円以上~24万円未満:28万9599人
  • 24万円以上~25万円未満:19万4014人
  • 25万円以上~26万円未満:12万3614人
  • 26万円以上~27万円未満:7万6292人
  • 27万円以上~28万円未満:4万5063人
  • 28万円以上~29万円未満:2万2949人
  • 29万円以上~30万円未満:1万951人
  • 30万円以上~:1万6721人

男女差や個人差が大きいことがわかります。

「平均」と聞くと誰もがその金額を受け取れるように思えてしまいますが、実際には9~10万円という人が多いようですね。

4. 年金制度を理解して将来設計をする

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在職老齢年金について、制度を理解していなければ損をする可能性もあります。

自分の老後資金は自分で準備するというのが原則ですが、公的な制度のことは必ず知っておきましょう。

年金だけで生活できる高齢者は年々減っており、近年は働くシニアも増えました。経済的な理由だけでなく、健康面や精神面からもメリットがありますね。

老後を豊かに過ごすためにも、年金と給与のバランスは上手に保ちたいものです。

もちろん働けなくなるリスクも十分に考慮し、ある程度の貯蓄を備えておきたいですね。

参考資料