1. 年金制度をおさらい「厚生年金と国民年金」とは
まず最初に「2階建て構造」などと呼ばれる、日本の年金制度の基本をおさらいします。
現役時代に加入する年金制度によって、老後に受け取る年金も変わります。
1.1. 国民年金(老齢基礎年金)とは
- 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
- 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
- 年金額:満額77万7792円(※)✕調整率(未納期間がある場合は差し引かれます)※令和4年度の年額
1.2. 厚生年金(老齢厚生年金)とは
- 加入対象:主に会社員、公務員など
- 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
- 年金額:加入期間や納付保険料によって決まります(国民年金に上乗せで支給)
2階建て構造となる年金ですが、次からはみんながそれぞれいくらもらっているのかの実態をみていきます。
年金の受給額を知るには、厚生労働省が公表する「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」で確認することができます。
2.「国民年金」の月平均はみんないくら?
まずは国民年金から見ていきましょう。
厚生労働省年金局が公表する「令和2年度(2020年)厚生年金・国民年金事業の概況」によると、男女別の受給権者数は以下の通りです。
2.1. 国民年金の平均月額(受給者数3328万1594人)
〈全体〉平均年金月額:5万6252円
〈男性〉平均年金月額:5万9040円
〈女性〉平均年金月額:5万4112円
2.1. 国民年金月額階級別の老齢年金受給者数
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
こうしてみてみるとあまり個人差はありません。
前述の通り、保険料は一律で納付期間も決まっています。
納付期間が足りない場合にその割合を満額から差し引く方式となっているため、受給額の差はあまり生じないのです。