「老後2000万円問題」の試算内容。厚生年金と国民年金が減った場合は?

では、老後2000万円の試算内容を確認しましょう。

出所:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」をもとにLIMO編集部作成

【老後2000万円問題】高齢夫婦無職世帯の月の収支

  • 実収入(主に年金):20万9189円
  • 実支出:26万3718円
  • 月の赤字:約約5万5000円

老後を30年と仮定:約2000万円必要

老後2000万円問題は、老後の生活費では月の赤字が5万5000円あり、30年間で2000万円足りないという試算から出た話です。

しかし、上記は今の年金額で試算されています。

令和4年度の国民年金と厚生年金の平均額は以下の通り。

出所:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

国民年金と厚生年金の平均受給額(令和4年度)

  • 国民年金:6万4816円
  • 厚生年金:21万9593円※夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額

少子高齢化の影響もあり、一部メディアでは将来の受給額が2割、3割と減るのではないかとも報じられています。

たとえば年金額が2割減った場合、月の年金額は約17万円ほどとなり、赤字は約9万円になります。

もちろん個人差ありますが、現役世代にとって「老後2000万円問題」は非現実的といえるかもしれません。