3. 厚生年金が月額20万円の手取り額はいくらか

女性で厚生年金を月額20万円も受給できるとなると、かなりの少数派であることがわかりました。

しかし、公的な年金からも天引きされるお金があるため、手取り額が下がることには留意が必要です。

参考までに、東京都世田谷区に住んでいる方の場合で手取りを試算してみます。

3.1 月額20万円の年金から引かれるお金

  • 介護保険料:約9万円
  • 国民健康保険料:約14万円(75歳未満の場合)
  • 所得税:約3万円
  • 住民税:約7万円

3.2 月額20万円の年金の手取り額

年額にして、合計で約33万円が引かれることがわかりました。月額に換算すると2万7500円です。

20万円から引くと、月額の手取りは17万程度になることがわかりました。

年金から約15%が税金や保険料として天引きされることを考えると、手取り額は意外に少なく感じてしまいますね。

4. 老後に必要な生活費とは

夫婦世帯の場合、夫婦での合計年金が老後の年金額となります。

しかし人生のマネープランを考える上では、離婚や死別も一つの可能性として考えておくべきという考えもあります。

参考までに、65歳以上のうち単身かつ無職世帯の家計収支を見てみましょう。

総務省「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」

総務省の2021年家計調査報告によると、単身世帯の消費支出は13万2476円です。

厚生年金が月額20万円あれば、赤字にならずに過ごすことができそうです。ただし、上記の調査では支出のうち「住居費」が1万円台となっています。

持ち家世帯の方が平均値を押し下げていると考えられるため、賃貸住まいの方はここに家賃の上乗せが必要になるでしょう。

また、介護費用もまとまったお金が必要です。生活費以外に、こうしたお金を見込んで備える必要がありますね。