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(初公開日:2020年11月27日)

金融庁が2019年に公表した報告書に端を発した「老後2000万円問題」。働き盛りの現役世代にとっては、セカンドライフに向けた資産形成の重要性について考えさせられるものでしたね。

とはいえ、自分がシルバー世代になったとき、どんなことに、どれくらいお金が必要となりそうか、はっきりイメージしにくい、と感じる人も多いでしょう。「ひと月にどのくらい必要か」は、日頃の生活スタイルや、家族構成、健康面などさまざまな要因によって、個人差があるところではないかと思います。受け取れる年金額についても、現役時代の就労状況や年金保険料の納付状況で、これまた個人差があります。

ということで、今回は、60歳以上が、ひと月にどのくらい預貯金を取り崩しているのか、について、内閣府の意識調査の結果をもとに見ていきます。

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1. 60歳以上、「預貯金の取り崩し」をしている人はどのくらいいるの?

ここから、内閣府の「令和元年(2019年)度 高齢者の経済生活に関する調査結果(全体版)」より、60歳以上の人の、「預貯金の取り崩し」にフォーカスしていきましょう。

なお、同調査における「預貯金の取り崩し」は、臨時的、突発的な支出ではなく、「日常生活の支出の中で、収入より支出が多くなり、これまでの預貯金を取り崩してまかなうこと」を指しています。(※第3章 調査結果の解説

1.1 約半数が「生活費のため」に預貯金を取り崩している

同調査の「日常生活の支出の中で、収入より支出が多くなり、これまでの預貯金を取り崩してまかなうことがありますか。この中から1つ選んでお答えください」という質問では、調査対象全体の1775人のうち、13.5%が「よくある」、34.6%が「時々ある」と回答しています。実に、全体の約半数が、「取り崩しあり」となるわけですね。これを、年齢ごとに見ていきましょう。

1.2 「年齢ゾーン別」にみた、ひと月の預貯金の取り崩し額(男女計)

  • 60~64歳(n=258):50.4%
  • 65~69歳(n=391):54.2%
  • 70~74歳(n=402):54.0%
  • 75~79歳(n=344):48.0%
  • 80歳以上(n=360):33.6%

 

80歳以上では約3割。その他の年齢ゾーンでは約半数が、「取り崩しあり」に該当するようですね。

この「取り崩しあり」と回答した人たちの、「ひと月の取り崩し額」について、次で見ていきたいと思います。