「パワーカップル」という言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか。

パワーカップルにはっきりとした決まりがある訳ではありませんが、夫婦そろって高所得の場合をいいます。

世帯年収が1400万円以上、2000万円以上などがあり、子どものいないDINKS家庭もあれば、子どもがいる家庭の場合など、いろいろなパターンがあります。

世帯年収が1400万円以上もあれば、日々の暮らしにゆとりがあり、老後の生活もさぞ安泰なのではと思うものですが、本当にそうなのでしょうか。今回は、パワーカップルの老後について考えてみましょう。

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1. 世帯年収1400万円、2000万円のパワーカップルの手取りはいくら?

給料から天引きされる税金(所得税・住民税)や社会保険料(厚生年金保険・健康保険・雇用保険)は、年収が増えるほど負担が増えます。

傍では「年収が多ければ生活に余裕が生まれ、お金の心配はないはず」と思いがちですが、実際の手取りはどのくらいなのでしょうか。

世帯年収1400万円(夫婦ともに年収700万円)と、世帯年収2000万円(夫婦ともに年収1000万円)、DINKS家庭の場合でシミュレーションしてみましょう。

夫婦ともに40歳以上65歳未満、子どもなしを想定すると、次のとおりになります。

1.1 パワーカップルの年収手取り額

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筆者作成

筆者作成

世帯年収1400万円のパワーカップル(夫婦ともに年収700万円)であれば「約525万円×2人分=1050万円」が手取りになります。

一方、世帯年収2000万円のパワーカップル(夫婦ともに年収1000万円)であれば「約723万円×2人分=1446万円」が手取りとなります。

1か月あたりの手取りは、87万円~120万円です。

国税庁の民間給与実態統計調査(令和3年)によると、1年以上勤務した給与所得者の平均給与は443万円、手取りで約347万円になります。

仮に同じ年収の夫婦であれば「約347万円×2人分=694万円」が手取りになります。パワーカップルの手取りと比べると約5~6割ほどですね。

パワーカップルは、正社員で働く平均的な共働き家庭と比べて、手取りが多くうらやましい限りといえます。

そんなパワーカップルですが、年収が多い分、厚生年金なども多く控除されています。老齢厚生年金は、加入期間と年収が影響するため、老後の年金も十分にもらえるのでしょうか。

2. 世帯年収1400万円・パワーカップルの厚生年金をシミュレーション

世帯年収1400万円のパワーカップルの年金をざっくり試算してみましょう。

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出所:日本年金機構「老齢年金の年金額」

出所:日本年金機構「老齢年金の年金額」

2.1 <基本条件>

  • 夫婦ともに会社員
  • 2003年4月以降に就職
  • 生年金保険の加入期間は38年
    なお、20歳から2年間は国民年金に加入して、通算加入期間は40年とする。
  • 老齢基礎年金は満額の年額77万7800円(2022年分)→月額:6万5000円
  • 平均標準報酬額:59万円(30等級)

2.2 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額

59万円×5.481/1000×2003年4月以後の被保険者期間の月数456月=147万円
59万円で報酬比例部分を計算すると、147万円≒月額12万2880円
老齢基礎年金の月額6万5000円+老齢厚生年金の月額12万2880円=18万7880円

夫婦で同じ額の年金をもらう場合「18万7880円×2人分=37万5760円」が収入となります。

手取りは約7割になるため26万3032円が目安になります。

3. 世帯年収2000万円・パワーカップルの厚生年金をシミュレーション

世帯年収2000万円のパワーカップルの年金もざっくり試算してみましょう。

3.1 <基本条件>

  • 夫婦ともに会社員
  • 2003年4月以降に就職
  • 厚生年金保険の加入期間は38年
    なお、20歳から2年間は国民年金に加入して、通算加入期間は40年とする。
  • 老齢基礎年金は満額の年額77万7800円(2022年分)→月額:6万5000円
  • 平均標準報酬額:65万円(32等級)

3.2 老齢厚生年金の報酬比例部分の年金額

65万円×5.481/1000×2003年4月以後の被保険者期間の月数456月=162万円
65万円で報酬比例部分を計算すると、162万円≒月額13万5380円
老齢基礎年金の月額6万5000円+老齢厚生年金の月額13万5380円=20万380円

夫婦で同じ額の年金をもらう場合「20万380円×2人分=40万760円」が収入となります。手取りは約7割になるため28万532円が目安になります。

現役時代のパワーカップルの1か月あたりの手取りは、87万円~120万円と先述しましたが、老後の年金はその2~3割程度。

厚生年金で将来受け取る額は、年収に連動するといっても、厚生年金保険料の等級には上限があります。年収が多くても、実際にもらえる年金は、一定以上は望めません。

4. パワーカップルの注意点

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beauty-box/shutterstock.com

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DINKS家庭のパワーカップルであれば、余裕のある生活が送れそうです。その分、生活自体が贅沢になったり、予算オーバーぎみのマンションを購入したり。消費的な生活になりがちです。

今は大丈夫かもしれませんが、将来、もしかしたら収入が減ることもあるかもしれません。

また、一度膨らんでしまった家計費を縮小するのは至難の業です。

早いうちから、手堅く老後資金の準備に取り掛かりましょう。

5. まとめ

DINKS家庭でも、フリーランスのパワーカップルの場合、老後の年金は老齢基礎年金だけです。

「国民年金基金」「小規模企業共済」「付加年金」「iDeCo」などさまざまな年金の上乗せ制度で、節税しながら老後資金準備をしましょう。

参考資料

舟本 美子