全国に広がる公立中高一貫校
公立中高一貫校が誕生したのは1999(平成11)年に遡ります。
その後21世紀に入ると全国に広がっていきます。東京都にも公立中高一貫校が2005(平成17)年に誕生し、2022年度の公立中高一貫校の数は137校(連携型除く)まで広がっています。
ゆとり教育への不信感から、中学受験を検討する家庭が増えたタイミングで登場した公立中高一貫校。
「私立中高一貫校より学費が安い」「自治体が力を入れている」と教育熱心な家庭にとって魅力的に映ったのは言うまでもありません。とくに中学受験が浸透していない地方では、画期的な出来事となりました。
学区の公立中学に進学することが当たり前であり、私立中学や国立大学附属中を受験するのは極々わずかという状況が一変したのです。
公立中高一貫校の誕生で大都市圏だけでなく、教育に関心の強い家庭を中心に中学受験が身近なものになっていきました。
さらに、教育産業もターゲット層が中学生だけでなく「中学受験する小学生」が増えたことは大きく、大々的に合格者数や公立中高一貫校に強いと宣伝する塾も出現し、現在に至ります。