2. 2023年度に開始!一括受給でも年金が増額となる5年前みなし繰り下げとは 

2023年4月から始まる「5年前みなし繰り下げ」の内容というのは、70歳以降から80歳までに一括受給を請求した場合、5年前に繰下げ受給の請求があったものとみなして、増額された年金が一括で支給されるというものです。

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

また、一括受給を請求した5年前の繰下げ受給の増額率が適用されるため、年金も増額されます。どのくらい増えるのか具体例で確認してみましょう。

3. 5年前みなし繰り下げの具体例

3.1 《71歳で一括受給を請求した場合》

5年前にさかのぼった場合の年齢は66歳。66歳時点での増額率は「0.7%×12か月=8.4%」になります。一括受給できるのは、8.4%増額された5年分の年金です。

さらに71歳以降は、8.4%が増額された年金が2か月に1回支給されることになります。ただし、65歳分の年金は時効になっているので消滅してしまいます。

もし、71歳から繰り下げ受給を申請した場合は、6年分の「0.7%×72か月=50.4%」が増額されます。

3.2 《74歳で一括受給を請求した場合》

5年前にさかのぼった場合の年齢は69歳。69歳時点での増額率は「0.7%×48か月=33.6%」になります。一括受給できるのは33.6%増額された5年分の年金です。

さらに74歳以降は、33.6%が増額された年金が2か月に1回支給されることになります。

ただし、65歳、66歳、67歳、68歳分の年金は時効になっているので消滅してしまいます。
もし、74歳から繰り下げ受給を申請した場合は、9年分の「0.7%×108か月=75.6%」が増額されます。