4. 国民年金の年金月額別受給者数とは

一方、国民年金の場合はどうでしょうか。

国民年金の年金月額階級別老齢年金受給権者数で確認してみましょう。

  • ~1万円:83,022人
  • 1万円~2万円:314,832人
  • 2万円~3万円:991,875人
  • 3万円~4万円:3,083,098人
  • 4万円~5万円:4,704,912人
  • 5万円~6万円:7,494,438人
  • 6万円~7万円:14,204,935人
  • 7万円~:1,787,336人

国民年金の場合は、そもそも受給出来る金額には上限があります。

冒頭でご紹介したように20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付していれば、月額約6.5万円(令和2年度)の満額が受け取れるとなっていたことから、収入ではなく納付期間で受給額が変わるということです。

受給者の数は5万円~6万円の層が一番多くなっており、国民年金だけでは老後の生活費は賄えないことが分かります。

5. 年金を少しでも多く受け取るには

ここまで厚生年金、国民年金の受給額について確認してきました。

今は定年を迎えた後も働くという方が増えています。

老後がいくつからと捉えるかは個人差がありますが、もし定年後も元気で働けるのであれば年金の受給開始年齢を繰り下げる方法を取ることで年金受給額を増額することも出来ます。

厚生労働省の「第15回社会保障審議会年金部会資料」によると現状年金の受給開始年齢は原則として、個人が60歳~70歳の間で事由に選ぶことが出来るようになっています。

65歳より早く受給を開始した場合は繰り上げとなり、年金の月額は減額され最大で30%減となります。

一方、65歳以降で受け取りを開始した場合は繰り下げとなり、年金の月額は増額され最大で42%の増額となるのです。

増額率は繰り下げ受給の場合、1月当たり0.7%増額となり、具体的には下記のようになっています。

5.1 請求時の年齢

  • 66歳時・・・8.4%
  • 67歳時・・・16.8%
  • 68歳時・・・25.2%
  • 69歳時・・・33.6%
  • 70歳時・・・42%

このように受給開始年齢が上がるほど、受給額も増額されます。

今後は75歳まで受給開始年齢が選べるようになってくると予定されていますから、このまま同じ増額率であれば受け取る年金もより多くなりますので、ぜひ覚えておいていただき積極的に活用しておきたいところです。