年末調整と確定申告の両方行う必要がある人
前章では、「年末調整と確定申告の違い」について説明しました。
では、年末調整と確定申告を「両方行う必要がある人」は、どのような人でしょうか?
結論は、「会社から給与支払を受けている」ことに加え、下記に1つでも当てはまる場合は、年末調整と確定申告を両方行う必要があります。
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
- 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
- 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
- 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人
- 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人
- 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人
- 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人
※以上7点は国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」より引用
本章では、「年末調整と確定申告を両方行う人がよく当てはまる項目」について詳しく解説していきます。
給与所得以外の収入がある給与所得者
会社から給与支払を受けながら、個人事業主として事業所得を得たり、家賃収入で不動産所得を得たりしている人は、確定申告も行う必要があります。
これは、「副業で20万円以上所得がある人」も対象となります。
会社以外で所得が20万円以上あるのに確定申告を行わないと「脱税」とみなされ、延滞税や無申告加算税が課せられるケースがあるので、該当する方は必ず確定申告を行いましょう。
正社員として働きながらパートやアルバイトをしている給与所得者
正社員として会社で給与支払を受けながら、別の会社でパートやアルバイトして働いている場合も原則として確定申告が必要です。
しかし、下記の2つに該当する場合は、確定申告をしなくても問題ありません。
- 給与所得の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控以外の所得控除の合計額を引いた金額が150万円以下の場合
- 給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下の場合
掛け持ちをしている場合は、自分が上記に該当するかどうかを確定申告前に確認しておきましょう。