6月1日は「選考解禁日」でしたが、実際はその日に企業が内々定を出すという始末。これでは、何をもって解禁というのかはよくわかりませんね。
では、内々定を複数手にした学生と苦戦している学生を分けているものは何でしょうか。どの学生もOB訪問や企業研究をこなし、一様なプロセスを踏んできたはずです。そこで、今回は内々定を手にした学生の特徴を俯瞰しつつ、いったいどこが違ったのかを考えてみたいと思います。そのヒントは定性的要素にありそうです。
連絡への返信が早い
「コミュニケーション力が大事」とよく言いますが、これではあいまいです。
具体的に言えば、電話やメールで連絡した後のフォローアップが迅速であることが大きな要素だと言えるでしょう。社会人やビジネスパーソンであれば当然かもしれませんが、複数の学生と接してみると、ちゃんとレスポンスがある人とそうでない人の差が意外と大きく出るものです。
緊急性を問わない内容でも、やはりレスポンスがないと連絡した人は心配してしまうものです。その心配そのものが、連絡した人からすればストレスだということもあります。
将来一緒に仕事をしたい人物かどうかという判断においては、こうした細かな点であっても重要になってくるのです。
服装が良い
「就活生はリクルートスーツに身を包んでいるので誰でも同じに見える」というコメントをメディアでよく見かけますが、実際のビジネスパーソンから見れば全然違います。
Yシャツにアイロンがしっかりかかっているか、ネクタイはきちんと締められているか、靴はきれいに磨かれているか、靴とベルト、靴下の色がちぐはぐでないかなど、見ていけばキリがありません。
「クールビズ」という言葉が浸透してネクタイを締めない人も増えましたが、業種によってはオフィシャルなビジネスシーンではネクタイは欠かせません。
就職活動でいまいちな服装をしている人が社会人になって劇的に改善する可能性と、今この時点で身だしなみがしっかりしている人が社会人になってもそれを継続できる可能性を比べたら、その答えは自明ではないでしょうか。
回答が的を射ている
質問に対して適切に回答する。
これは実は意外に難しく、経験豊かな社会人やデキるといわれているビジネスパーソンでも100%こなせていると自信をもって言い切れる人は少ないでしょう。したがって、面接官とのやり取りの中で、質問に対して適切な回答ができるだけで評価は必然的に高くなります。
学生はどうしても準備した内容を答えがちですが、毎度、想定している質問が出るわけでもありません。また、質問する方は気が利いた面白い回答を求めることもありますが、そうではない事務的な質問に対しては要点を押さえた簡潔な回答を求めることがほとんどです。普通は毎日そんなに笑いばかりの日常というのもないでしょうから。
周囲への気配りができる
これは就職活動をしている大学生に限った話ではありませんが、他人への気配りができるだけで評価は高まります。
面接される学生は、何を聞かれるのだろう、どこを見られるのだろうという思考回路になりがちですが、それでは結局自分のことしか考えていないことになります。
人は自分のことを気にかけてくれると、誰でもうれしいのではないでしょうか。これまで面接官に対しての気配りができていたかどうか、今一度振り返ってみてもいいかもしれません。
ビジネスシーンでもあいさつから入り、相手の話を引き出してから自分の話を展開する人が好感を持たれるのは偶然ではないでしょう。こうした側面は就職活動のマニュアルにあっても、実際の行動に移すとなると付け焼刃では対応できない難しさはあります。
礼儀正しい
「周囲への気配りができる」ということに似ているかもしれませんが、礼儀作法もいきなり習得することができるものではありません。個々人の人となり、それまでの生き方がにじみ出てきてしまうものです。
お辞儀がしっかりできるか、一度別れた後、自分が見えなくなるまで見送りをしてくれる方に2度目の挨拶ができるか(特に関西地方)、タクシーに乗車して挨拶をする際は窓ガラスを完全に開けて挨拶ができるか、そうした細かな点は思いのほか記憶に残ります。
これも言うは易しですが、実行するのは難しいことばかりです。
まとめ
採用面接の肝は「近い将来一緒に働いてみたい人」を選ぶプロセスです。
もちろん、業界研究や企業研究といった基礎的な知識は必要ですが、それ以外の定性的な評価項目も意外と面接官の判断材料としては大きいように思います。これも定量的に測ることは難しいですが。
なぜ「彼(彼女)は内々定を複数持っているのに、私にはないのか。私の方が優秀なのに何が違うのか」と思っている人がいれば、今回お伝えした点を意識してみてはいかがでしょうか。
LIMO編集部