2. 2022年基準地価を読み解いてみよう
では、国土交通省の発表を基に、2022年の基準地価の特徴的なポイントを見ていきましょう。
2.1 全国平均 住宅地が31年ぶりに上昇
全国の基準地価は全用途でプラスとなり、特に住宅地は31年ぶりの上昇となりました。これは、実にバブル期以来のことです。
参考:
国土交通省「令和4年都道府県地価調査結果の概要」
国土交通省「第2表 圏域別・用途別対前年平均変動率」
国土交通省「令和4年都道府県地価調査の概要」
住宅地においては全国的に変動率がアップした都道府県が増え、マイナスだった都道府県が減少しています。上昇幅が拡大した地点も多く、全国的な住宅地の変動率アップにつながったと考えられるでしょう。
住宅地・商業地ともに需要の回復傾向がうかがえます。
2.2 基準地価上昇率 福岡が2年連続全国トップ
2022年基準地価において、全用途平均・商業地の区分で2年連続全国トップの上昇率となったのが福岡県。福岡市やその周辺での地価上昇が影響しているものと思われます。
全用途平均の上昇率3.1%は、コロナ禍前、2019年の上昇率2.3%を上回っています。
このように福岡県の地価を押し上げているのが福岡市。天神ビッグバン、博多コネクティッドなどの大規模再開発事業の影響を受け、オフィス需要や住宅需要が強く、地価を押し上げる要因になっていると考えられます。
福岡市については後ほど「地方四市」の三大市内で詳しく解説します。