受験シーズンと聞くと冬を思い浮かべますが、実はすでに始まっている受験があります。全ての受験のトップを飾るのが小学校受験です。
東京都内では10月から11月にかけてが「お受験シーズン」になります。
とはいえ、小学校受験組は全国的にも少数派。富裕層や代々その学校に入学している家系の子、というイメージがあり「受験」というカテゴリーの中でも馴染みのある受験ではありません。
しかし、公立小学校とは違うカリキュラムや教育環境の充実さ、そして大学附属小であれば何事もなければエスカレーターで大学まで進学できるという点も私立小学校の魅力です。
それでは、私立小学校に通わせる場合どのくらいの学費がかかり、世帯年収はどのくらいの層が多いのか紹介していきます。
私立小学校は卒業までに「総額1000万円」を覚悟
一口に私立小学校と言っても、入学金や授業料等は千差万別です。まずは、私立小学校の名門中の名門である慶應義塾幼稚舎の初年度の学費はどのくらいかかるのかみていきましょう。
慶應義塾幼稚舎の初年度の学費
- 入学金 34万円
- 授業料 95万円
- 教育充実費 20万円
- その他の費用 12万円
2022年度(2020年度以降入学者)の場合、初年度に161万円かかります。
慶應義塾大学とともに私立大学の両雄の早稲田大学の系列校であり、同じく高い人気を誇る2002年度に開校した早稲田実業初等部の、2020年度学費は以下の通りです。
早稲田実業初等部の初年度の学費
- 入学金 35万円
- 施設設備資金(入学時) 30万円
- 授業料 75万6000円
- 父母の会費 1万2000円
- 父母の会入会金 2000円
慶應義塾幼稚舎に比べると少ないものの、狭き門を突破し入学するにも142万円納めなければいけません。
入学する際は入学金もあり初年度の学費は高くなります。しかし、次年度も私立小学校であれば授業料が発生し、納める必要があります。
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立小学校の一年間の学校教育費は90万4164円でした。
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出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」
学校により額の開きはありますが、子どもを私立小学校に通わせる場合毎年90万円は必ずかかるということになります。
また、習い事を含めた学校外活動費は私立小学校に通う世帯では年間64万6889円と、私立小学校に通う児童の教育費は一年で150万円以上かかることを意味しています。
卒業までの6年間で900万円。私立小学校に入学し卒業するまでには、それだけの教育費を支払える経済的な体力が必要だということです。
「年収1200万円世帯」が半数を占める私立小学校
私立小学校に通わせ卒業するには経済力が不可欠です。文部科学省の同調査では、私立小に通っている子どもの世帯年収の割合も調べています。
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出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」を参考にLIMO編集部作成
- 400万円未満 3.0%
- 400万円以上599万円 6.0%
- 600万円以上799万円 11.4%
- 800万円以上999万円 15.0%
- 1000万円以上1199万円 15.2%
- 1200万円以上 49.4%
1200万円以上の世帯が約半数、1000万円以上を含めると64.6%になります。ちなみに公立小学校に通学している子どもの世帯年収は以下の通りです。
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出所:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」を参考にLIMO編集部作成
- 400万円未満 14.1%
- 400万円以上599万円 29.0%
- 600万円以上799万円 27.0%
- 800万円以上999万円 15.7%
- 1000万円以上1199万円 7.3%
- 1200万円以上 6.9%
公立小学校でのボリュームゾーンは世帯年収400万円から799万円になりになります。そして年収1200万円以上の世帯は最小の6.9%だということを考えると、いかに私立小学校に在籍している子どもの家庭は高所得世帯が多いかが分かります。
準備も大変な小学校受験
どの受験でも合格に向かって努力をし準備をする必要がありますが、とくに受験生が5歳から6歳の子どもである小学校受験では、本番に備えるため親の役割、負担は大きいです。
「年長の秋に受ける」から逆算し、3歳頃から学校選びや面接対策、筆記試験、実技や行動観察対策のために専門の教室に通うなど入学前からしっかり準備をして臨みます。
中学受験では子どもから「友だちが受けるから自分も受けてみたい」と言い出すケースもありますが、小学校受験に関しては子ども自身ではなく親や祖父母の考えで決定します。
そして家庭の教育方針以上に、私立小に通わせても平気な経済力がカギになります。
私立小のカリキュラムや環境の充実は魅力的です。しかし、私立小に入学して持ちこたえる経済力がなければ難しいものがあるのが実情といえるでしょう。
参考資料
中山 まち子
