最近では60歳代でも働くことが一般的になっており、総務省によれば60歳代後半でも約半数が働いています。
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出所:総務省「統計トピックスNo.132統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
しかし、70歳以上になると働く方は約2割ほど。男女別にみると男性で25.6%、女性で12.6%となっています。
健康寿命は男性で72歳、女性で75歳ですから、70歳を超えると働けなくなる方も増えるもの。
一方で、公的年金に不安を感じる報道が相次いでおり、また相次ぐ物価高もあり年金生活を送る方々は不安が消えないでしょう。
70歳代のお金事情は個人差が大きく、どのような70歳代を送るかは人により異なります。今回は70歳代のお金事情に迫ります。
70歳代で「貯蓄ゼロ」も約2割に
仕事を辞める方が大半となる70歳代では、公的年金の他に貯蓄が生活の支えとなります。
物価高による生活費の不足部分を支えてくれるのも、旅行や趣味などを楽しむのも、病気や介護など万が一のときにも貯蓄が基本となりますよね。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によれば、70歳代・二人以上世帯の貯蓄は以下の通り。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとにLIMO編集部作成
70歳代・二人以上世帯「金融資産保有額」(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 平均値:2209万円
- 中央値:1000万円
少し前に「老後2000万円問題」が話題となりましたが、平均は2000万円を超えるものの、実態に近い中央値は1000万円でした。
「人生100年時代」と考えると、少々心もとない数字でしょう。
さらに円グラフを見ると、貯蓄ゼロの世帯が18.3%と約2割を占めます。
また、全体の4分の1が貯蓄200万円未満でした。
この物価高では、年金のみでは生活費が足りずに切り崩される方もいるでしょう。
70歳代以上で年収300万円以上を稼ぐ人も
「年金と貯蓄しかない」と考えると不安になりますが、やはり仕事による収入があると心強いですよね。先ほど確認したように、男性の4人に1人は70歳代でも働いています。
では、70歳代以上の平均年収はいくらになるのか、国税庁の資料より確認しましょう。
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出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
70歳代の平均年収:男性・女性
全体平均:545万円・302万円
- 70歳以上:369万円・210万円
国税庁によれば、70歳代以上の平均年収で男性が369万円、女性が210万円でした。
厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯の平均所得は年332万9000円です。
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出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
その内訳は以下の通り。
高齢者世帯の平均所得と内訳
- 総所得:332万9000円
- 年金:207万4000円
- 雇用者所得:58万7000円
- 財産所得:22万9000円
- 仕送り、企業年金、個人年金、その他の所得:28万8000円
70歳代以上の男性の平均年収369万円は高齢者世帯の平均的な総所得を上回るほどで、年金に頼らなくてもいいと言えるでしょう。
女性も年収210万円であれば、総所得の3分の2を仕事による収入で得られることになります。
ただしもちろんどのような職種かや労働時間等で年収は異なりますし、そもそも雇ってもらえるか、また健康寿命を考えると働くこと自体が難しい場合もあるでしょう。
どのような70歳代を暮らすか、老後の人生設計を
今回は70歳代の貯蓄と年収を確認しましたが、70歳代で貯蓄に不安を感じる方もいれば、年金に頼る必要がないくらい稼ぐ方もいます。
ただ70歳代以上になると健康や体力によるところも大きく、そもそも雇ってもらえるのか、また70歳代からは好きなことをして過ごしたいという方もいるでしょう。
60歳代はまだ働ける可能性もありますが、70歳代以上になると「働く」という選択肢の個人差が非常に大きくなります。
働く選択肢が無くなる場合には、それ相応の貯蓄や年金、不労所得などが必要でしょう。
自分はどのような70歳代を過ごしたいか、今回の統計を機に考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子
