3. 40歳から老後資金を作るには
30代の次に、40代の方の年代別比率も多いつみたてNISA。40歳からつみたてNISAを始める場合、どのように老後資金を作っていけば良いでしょうか。
老後を60歳からとした場合、40歳から投資を始めると20年間あります。その期間、利回り3%の投資信託に毎月3万円積み立てた場合の金額を金融庁の資産運用シミュレーションで計算してみましょう。
3.1 毎月3万円・20年間・利回り3%の投資信託で投資した場合
984万9060円(元本は720万円)
投資信託で積み立てると約984万円ですが、元本は720万円。銀行で預金をした場合に比べると、投資信託では約1.4倍資産が増え、約1000万円近くになります。銀行預金なら20年で約1000万円貯めるには毎月約4万1666円必要なので、差額は約1万1666円です。
老後の2000万円を全額を投資で準備するのはリスクを感じる人も多いので、半分の1000万円は投資で、残り半分の1000万円は預金で準備するのも一つですね。
問題はどの投資信託に投資するかでしょう。先程20年間で計算をしましたが、つみたてNISAは基本的に長期間運用を行うことでリスクが減り、資産が増えていきます。
長期的な積み立てを考えると、20年経っても成長するだろうと予測できるものが良いですね。コロナ禍においてこれまで当たり前だった価値観が崩れたことなどを考えると、長期でみれば一国に集中して投資をするのはリスクを感じます。それよりも世界の株式など、長期的に上下はするものの成長するだろうと思えるものを選ぶといいでしょう。
直近の商品別買付額をみてみましょう。
3.2 つみたてNISA商品別買付額(2021年6月末時点)
総額1兆2056億909万円
- 投資信託:1兆2053億8988万円
(うちインデックス投信:9789億9698万円)
(うちアクティブ運用投信等:1522億6781万円)
- ETF:2億1921万円
※2018~2021年の利用枠で、買付があった金額の合計。
つみたてNISA買付額のおよそ8割をインデックス投信が占めており、その人気がわかります。インデックス投信とは、たとえば日経平均株価やNYダウなどの指数に連動して運用されるもので、アクティブ運用投信はベンチマークを上回る成果を目指すものです。
つみたてNISAは40歳からはじめても遅いということはなく、20年かけて効率的に資産形成できることがわかりました。リスクもありますが、老後に向けての資産形成には効果的でしょう。
参考資料
- 国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」(2021年9月29日)
- 金融庁「つみたてNISAの概要」
- 金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査(2021年3月末時点) 」
- 金融庁「NISA 口座の利用状況調査(平成 30 年 12 月末時点) 」
- 金融庁「NISA 口座の利用状況調査(2019 年 12 月末時点) 」
- 金融庁「NISA 口座の利用状況調査(2020 年 12 月末時点) 」
- 金融庁「NISA・ジュニア NISA 口座の利用状況調査 (2021 年6月末時点) 」
- 金融庁「NISA・ジュニアNISA利用状況調査」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
宮野 茉莉子