5. 今からはじめられる、70歳代以上に向けた「貯蓄・年金・生活費」の備え方
これまで70歳代のお金事情についてまとめてきました。
今からどのように「貯蓄・年金・生活費」に備えていけばよいでしょうか。
まずは生活費の見直しです。
なかなかお金が貯まらないと悩まれる方は、長年払い続けている電話代や保険料、光熱費など固定費の見直しを一度検討してみましょう。一回の手続きで節約効果は大きいので、ぜひ取り組んでみて下さい。
また、少額の出費を気にしない「なんとなく使い」が頻発すると、お金が貯まりにくい環境になりがちです。複数枚のクレジットカードの保有なども管理が混在するため、用途に合わせて2枚程度までに減らしましょう。
「本当に自分にとって必要なものか」という判断軸を持つことで、無駄な出費を削減できるでしょう。
年金については、法改正も進み、パート勤務の方でも一定要件を満たせば厚生年金へ加入できる時代です。
たとえば、夫の扶養範囲内でパート勤務の場合は、妻は国民年金のみの受給となるため少ない年金で生活することになります。女性の場合は男性よりも長生きの傾向があるため、配偶者に旅立たれたあとの生活には要注意です。
厚生年金の加入により、自分自身の年金額の上積みができます。
また、3階部分といわれる私的年金で備える方法もあります。民間保険会社の個人年金保険やiDeCoや企業DCなどさまざまな方法が挙げられます。
低金利時代、預金だけではお金をふやすことができません。少額からできる積立投資など資産形成の商品を取り入れてみても良いでしょう。
夫婦で協力して、老後に向けた年金対策について考えてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省「統計からみた我が国の高齢者」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「2019年全国家計構造調査 家計収支に関する結果 結果の概要」(2021年2月26日公表)
仲宗根 梨世