持ち家のある夫婦にとって必要な老後資金はいくらかご存じでしょうか?
最近では、年金だけでは老後の生活費がままならないといわれており、十分な老後資金が用意できるか不安を覚える方も多いと思います。
そこで今回は、国民年金と厚生年金の違いや受給できる金額の目安、必要な老後資金のシミュレーションなどについて、詳しくまとめています。
持ち家を活用して老後資金に充てる方法も解説しているので、参考になれば幸いです。
「夫婦2人の場合、どれくらいためれば快適に生活できるのか」「持ち家を活用した資金繰りはできないか」と疑問をお持ちの方はぜひご一読ください。
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1. 持ち家ありの夫婦に必要な生活費
持ち家ありの夫婦2人が、快適に老後の生活を送るためにはある程度の貯蓄が大切です。
1.1 国民年金と厚生年金の受給額
まず、国民年金と厚生年金の違いと、それぞれの受給額の目安を見ていきましょう。
国民年金
国民年金は、基礎年金とも呼ばれ、基本的に日本に住む20~60歳までの全国民が加入する年金制度です。
国民年金の受給額は、月額平均およそ5万5000円(平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概要|厚生労働省)となっています。
国民年金のポイント
- 10年以上の加入期間が必要
- 1年間の受給額は満額77万9300円
- 学生や一定の所得に満たない人は、支払いを免除・猶予できる
また、上乗せして年金を受給できる「国民年金基金」や「付加年金」に加入することで、受給額を増やすことが可能です。
厚生年金
厚生年金は、公務員や企業の会社員などが加入できる年金のことで、第二号被保険者が対象です。
保険料の支払いは事業主と加入者の折半となっています。
受給額は月額平均およそ14万4000円(平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概要|厚生労働省)です。
厚生年金のポイント
- 厚生年金と国民年金合わせて10年の加入期間が必要
- 産前産後の休業、育休中などは保険料の支払いが免除となる
また、厚生年金は加入者が65歳時点において、加入者によって生計を保たれている配偶者や子どもがいるときには、別途「加給年金」が支給されます。
1.2 老後の生活費
総務省の2018年の家計調査年報(家計支出編)によると、無職の夫婦世帯に必要な生活費は毎月26万4707円です。
同調査によると、収入は22万2834円であるため、毎月約4万円を貯蓄から切りくずして生活を送っているのが実態との結果が出ています。
毎月4万円ほど、年間でおよそ48万円が赤字となるため、支給される年金だけでは生活が不安であることがわかります。