今の手取りか、将来の年金か

社会保険の加入についてメリットやデメリットをみてきましたが、パートタイムを選んで働く方も多いものです。

お子さんが小さかったり、子どもの人数が多かったり、習い事の送迎が必要だったり、親や子どもの体質や持病によっては働く時間を増やせないという方もいます。

10月は今年最大の値上げともなるため、まずは今の生活費を守ることは重要です。

一方で、社会保険に加入しない場合、将来の年金受給額が低かったり、万が一の保障が心もとないことになります。

特に厚生年金は収入が将来の年金受給額に関係するので、女性は男性に比べて少ない傾向にあります。

参考までに、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、厚生年金の男性の平均月額は16万4742円ですが、女性は10万3808円と約6万円の差があります(※国民年金の金額を含む)。

下の一覧表で見ても、男性の厚生年金額のボリュームゾーンが15~20万円なのに対して、女性は7~12万円と低いのが分かるでしょう。

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

夫婦であれば、加入している年金や内容によってはある程度年金を貰える可能性もありますが、人生何があるかわかりません。平均寿命の長さをみても、特に女性は早いうちから老後に備える必要があります。

今は女性でも60歳代で働く方が増えています。また、社会保険の保障を民間の保険などで補うとなればかなりの負担になります。

長い目で見て加入を検討するのもいいでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子